建築工事の高所作業を安全に進めることができるように、そして作業効率化のためにも足場を組み立てる作業は欠かせません。
鉄の棒を縦・横へと組み立てていく足場は、ジャングルジムのような単純な構造に見えることもあるでしょう。
しかし人が立って作業する場所であるため、足場組立てでは十分な注意が必要になります。
そこで、足場組立てにおいて注意しておきたいポイントと、求められる資格について解説していきます。
建築業界では、次の2つの言葉があります。
・本設
・仮設
この2つのうち、足場は作業を行う仮設の設備であり、完成させる建造物が本設です。
仮設である足場は、本来の目的である建造物が完成すると撤去されることになりますが、いずれ取り壊すものだからといって適当に組み立てておけばよいわけではありません。
足場の上にのぼり作業を行う職人の命を守り、作業を効率的に進めるために重要な場所であると認識しておきましょう。
足場組立ては高所で作業する職人のために行いますが、次の注意点を理解しておきましょう。
・安全点検を欠かさない
・安全措置の徹底
・他人の所有物を破損させない
それぞれの注意点について説明します。
安全点検を欠かさない
足場組立てにおいては、安全点検を欠かさないことが重要です。
長年経験がある場合でも、足場の種類に合ったチェックリストなど準備しておき、安全点検を必ず行いましょう。
足場組立てにおいて、安全措置を徹底することも大切です。
現場の安全を確認できていたとしても、作業中に何が起きるからは不明であるため、適切な安全措置を講じておくことが必要といえます。
足場組立てにおいて、建築物だけでなく、植木や花壇などを壊したり傷つけたりしないようにしてください。
足場組立作業には資格は必要ないものの、高さ5メートル以上の足場や吊り足場など特殊な構造物の指揮については、資格取得者のみ担当できます。
足場組立てで求められる資格は以下のとおりです。
・足場の組立等作業主任者
・とび技能士
・建築物等の鉄骨の組立等作業主任者
それぞれ説明します。
足場の組立て等作業主任者とは、吊り足場や張出し足場などの組立てや解体、変更の作業において指揮監督者になることができる国家資格です。
とび技能士とは、足場組立てや解体以外に、掘削・土止め・作業の段取りなどを行うことが可能であることを証明できる国家資格であり、1級から3級まであります。
建築物等の鉄骨の組立等作業主任者とは、高さ5メートル以上の鉄塔や建築物の金属製骨組みの組立・解体・変更の作業など行うときに指揮監督者になることができる国家資格です。