建設業で働く従業員個人が自発的に自身のキャリアに対し、考えて行動を起こすように促すことはとても大切です。
それに加え、建設会社でも従業員の最適なタイミングで希望するキャリアに向けて実施される研修や教育を受けることのできる制度を充実させることが必要といえるでしょう。
そのためにも建設会社が率先し、従業員のキャリア形成をサポートするセルフキャリアドックを導入することが求められます。
そこで、建設業でも導入が必要になると考えらえるセルフキャリアドックについて解説していきます。
「セルフキャリアドック」とは、従業員が描いたキャリアに対し、企業が積極的にサポートする取り組みのことです。
「ドック」とは人間ドックの「ドック」と同じ意味で、船が定期検査や修理を受ける「dock」という施設に由来しています。
従業員が自分のキャリアについて定期的に確認・調整し、そのキャリア形成促進に向けて企業が人材育成の1つとして研修やキャリアコンサルティング面談などを組み合わせながら支援するのがセルフキャリアドックです。
従来までの人材育成では、たとえば企業主体で事業計画や営業戦略に沿った教育などを実施することが多かったでしょう。
企業目線での人材育成という教育を実施することが主流だったといえますが、少子高齢化が進み労働人口も減少し、さらに終身雇用制度や年功序列制度なども弱体化しています。
長期的な見通しが立てにくい中で、従業員自らがキャリアを確認・調整し、キャリアアップを目指すことは会社の生産性向上にもつながります。
その手段として用いられているのがセルフキャリアドックといえるでしょう。
建設会社がセルフキャリアドックを導入することにより、次のようなメリットがあると考えられます。
・人的課題を洗い出せる
・人材定着・離職防止につながる
・生産性が高まる
・従業員のモチベーションを向上できる
それぞれどのようなメリットか説明していきます。
セルフキャリアドックの導入で、潜在的な人的課題を顕在化させ解決することにつながるでしょう。
さらに従業員に寄り沿ったサポートを行うことは、離職を防ぐ効果が期待できます。
従業員一人ひとりがキャリアに関心を持ち、業務に対するモチベーションを高めることで組織力も強化され、生産性向上にもつながります。