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本業は商社だけれど建設工事を行うことが多いなら許可を取得するべき?

2020.05.03
分類:総務
本業は商社だけれど、機械設備などを設置する工事も請け負っている企業があるとします。本業に付随し建設工事なども行っているという場合、請負金額が500万円を超える可能性も考慮して許可を取得しておきたいと考えたとき、はたして許可取得は可能なのでしょうか。

商社でも建設工事を行うことはある

本業に付随して機械設備などの設置工事も請け負うという企業は少なくありませんが、競合などが建設業許可を取得し信頼を獲得していると耳にすると、自社でも取得しておいたほうがよいと考えてしまうものでしょう。

ただ定款の目的に建設業を含めておらず、国家資格者もいないという場合には申請できるのか気になるところです。

 

本業が建設業でなくても

建設業許可は、本業が建設業でなければ取得できないわけではありません。たとえば本業は機械設備の商社だとしても、業務拡大により設置まで行うというケースはめずらしいことではありません。

ただ許可要件を満たせば簡単に取得できるわけでもなく、国家資格者が不在であれば10年以上の建設業の実務経験を証明することが求められます。そのため10年前分までの契約書や請求書を収集するなどが必要です。

さらに法人であれば定款の目的に建設業を含める登記を申請しなおすことも必要です。

許可を申請するときには定款の目的欄も必ず確認されますので、建設業が含まれていなければ取引相手の信用を獲得できなくなる可能性もあります。

 

目的変更の登記手続きの方法

会社の目的は,その会社が営む事業の範囲を明らかにするものです。そのため定款の変更手続と目的の変更登記が必要です。

目的変更を行うには、株式会社の場合は株主総会を開催し、定款変更の特別決議が必要です。

目的変更の登記手続きは、本店所在地の法務局に申請を行います。定款変更の効力が生じた日から、本店所在地なら2週間以内、支店所在地では3週間以内に申請が必要です。

期間内に申請が遅れた場合や登記を怠っていると過料の制裁をうけることもあります。

 

継続して建設工事を行うのなら

先に述べた例では、定款の目的にこれから取得しようとする建設業の業種を入れ、目的変更の登記を行うことが必要です。それに加え、取得したい建設業に関する10年間の実務経験を証明することも必要とされます。

兼業の場合でも500万円以上の建設工事には必ず許可が必要となりますし、許可を取得しておけば顧客からの信頼を勝ち取ることにもつながります。

そのため本業は建設業以外だとしても、継続して建設工事を行うのなら許可を取得しておくと安心です。