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建設業界はこれまでのブラックなイメージからホワイト企業に変わることができる?

2019.11.15
分類:総務

就職してもすぐ辞めてしまう…そのような悩みを抱える建設事業者は少なくありません。一定期間に退職した方の割合を示す数字が離職率ですが、この割合は高ければ高いほど、長時間における残業やハラスメント行為などにより、長く働き続けることができない職場環境になっていると考えられます。

離職率が高い職種で挙げられるのが宿泊・サービス業で、電気・ガスなどのインフラ業は実は離職率が低い割合を示しています。そのように考えると、建設業階はブラックではなくホワイトよりなのか?と思うかもしれませんが、そうとはいえない状況にあるようです。

現場の労働環境改善は大手ゼネコンを中心に始まっている

現在、ゼネコンを中心として、現場環境をホワイト化しようという動きが見られます。

国土交通省や建設業界団体なども、常態化している週休1日以下や残業80時間超という建設業での働き方を変えようと、週休2日推進、総労働時間削減、有給休暇取得の促進などを実現することに向けた動きを見せている状況です。

建設業の場合、国の残業時間の上限規制は5年間という猶予期間が与えられていますが、猶予期間の間に段階的に残業削減に取り組んでいくことが必要といえるでしょう。

まずは大手ゼネコン、そして中堅ゼネコンという流れで実施されることが必要と考えられます。

 

都道府県と民間が一体で取り組んでいる場合も

実際、神奈川県では毎週土日は休工日とする取り組みを行っており、官民一体で建設業の労働環境改善に取り組んでいます。

残業時間は減少させ、休日日数も増やすといったホワイト建設会社も増え、ゼネコンの中にはプレミアムフライデー導入するなど、これまでの建設業界は休みの取れないブラック企業のイメージを一新する取り組みや姿勢が見られる状況です。

 

問題となるのは小規模な建設会社

しかし、国の目が届きにくい規模の小さな建設会社などの場合、残業時間を削減するというより、サービス残業で対応するといった内容になることも予想されます。

そうなると残業代未払い問題が増え、ブラックな企業として問題視されやすくなってしまうでしょう。ゼネコンなどとの格差は広がり、ますます小規模な建設会社では人手不足に悩まされることになってしまいます。

さらに下請け会社で日当給を受け取りながら働いている方たちは、週休2日になってしまうと給料が減ってしまうため賛成できる状況ではありません。日当給ではない場合でも残業がある前提で受け取っていた給料が減少してしまうと不安を抱えることもあるようです。

 

ホワイトになる予定がさらにブラックになるのでは?という声も

ホワイトを目指す建設業界が、結果としてサービス残業を増加させることになり、ブラックな労働環境や給与格差を生み出すのではないかという懸念の声も上がっています。