建設企業では独自の人材育成制度を導入し、従業員に専門的な知識や技術を身につけてもらう取り組みを行っている場合もあります。
しかし資金力や人員に限りのある中小の建設企業のすべてが、社内で独自の人材育成を行うことに時間やコストをかけることができるとは限りません。
そのため東京都では、建設事業者の人材育成を支援するために、講習などを受講可能とする制度を設けていますので、うまく活用することをオススメします。
東京都では、既存の建設技能労働者の高齢化が進んでおり、次世代の建設人材育成が急務です。
そこで、職業訓練制度では「建設人材育成事業(鉄筋コース・型枠コース)」を設け、建設現場ではニーズが高い「鉄筋工」と「型枠大工」を養成しています。
建設現場で活躍する上で必要となる鉄筋コンクリート構造や鉄筋工事の基礎知識や技能を基礎から学ぶことができ、作業を行う上で求められる資格も多数取得できるといったメリットがあります。
受講料はかかりませんが作業服や安全靴などは個人が負担しなければなりませんので注意してください。
鉄筋コースで学ぶのは、
・鉄筋コンクリート構造の基礎
・柱などを内部で支える鉄筋工事の基礎知識
・施工方法
などで、学科と実習を交えながら15日間学ぶことができます。
型枠コースでは、
・鉄筋コンクリート構造の基礎
・柱などの形作りを行う型枠工事の基礎知識
・施工方法
などを学科と実習を交え15日間で学びます。
実施回数は鉄筋コース・型枠コースとも年4回ずつとなり、定員は鉄筋コース・型枠コースとも6名です。
募集期間内に実施校の窓口または郵送にて申し込むことができます。
「建設人材育成事業(鉄筋コース・型枠コース)」で対象となる方は次に該当する方です。
・中小企業に勤務し、鉄筋工・型枠大工のいずれかの職務に従事して間もない在職者
・これらの職務に従事することを目指す求職者
男性に限らず、女性も応募できます。
そして安全衛生および建設業に関する基礎知識、鉄筋工の実習などを15日間で修めると、次の資格などの取得が可能となります。
・自由研削用といしの取替え等特別教育
・小型移動式クレーン運転技能講習
・玉掛け技能講習
・高所作業車運転技能講習
・足場の組立て等特別教育
費用をかけずに資格取得を目指すことができるため、うまく活用してみてはいかがでしょう。