日本は地震が多く発生する国のため、建物を地震の揺れから守るために制震・制振などの工事を行うことも少なくありません。
脅威を把握し災害に備えるが重要ですが、建設工事を行う上でもどのような脅威から何を守ることになるのか、具体的にイメージすることが大切です。
そこで、防災・減災のカギとなる災害対策で重要なことは何か、理解を深めるためにも説明していきます。
日本は地震が多い国のため、建物を揺れから守るため、次のような補強や構造が用いられています。
・揺れを伝えにくくする「免震」
・揺れる時間を短くする「制震」「制振」
まだ記憶にあたらしい東日本大震災では、建物構造の問題による被害は少なかった一方で、天井や壁など非構造部材の被害が多く報告されています。
建物の倒壊は防げたとしても、室内の安全性が確保されなければ意味がないため、天井などは非構造部材の耐震対策が必要といえるでしょう。
他にも医療機関などの手術室やサーバールームなどの重要な機器が、地震の揺れにより破損してしまうといったケースも多くあったため、建物の重要区画に対する免震も検討が必要と考えられます。
地震による被害は、建物自体が倒壊してしまうこと以外に、地盤が液体状になってしまう「液状化現象」によるものも考えられます。
堆積した砂の地盤に地震動が加わった場合、地層自体が液体状になってしまうため、建物や道路などが沈下したり傾いたりしてしまい、水道管が浮き上がって断水するといった被害を及ぼします。
建物本体に被害がなくても大きな支障をきたすことになるため、事業を液状化から守るための対策が必要といえるでしょう。
火災が起きたときのため、建物の耐火性能を向上させることだけでなく、万一火災が発生したときのための避難経路の確保や訓練など安全対策を講じておくことが必要です。
そして地震により津波が起きたときのためにも、早く津波が到達しない高い場所に逃げる経路を事前に確保し、定期的に避難訓練など行っておくことが大切といえます。
地震発生から津波襲来まで予想される時間が比較的短いエリアなどは、命を守るために短い時間で避難できる施設や経路をしっかり整備しておきましょう。
日本は様々な災害が起きやすい国のため、事業継続計画(BCP)を検討するときには建物の建設地や、その場所で高い災害リスクを把握しておくことが重要です。