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工事現場の事故で発生した建設中の建物や設備の損害をカバーする保険とは?

2022.07.06
分類:リスク

建築工事や設備工事では事故リスクはつきものといえますが、万一に備えるための事故保険を検討しましょう。

たとえば建設工事保険の場合、建築工事や設備工事を行っているときに発生した自然災害や施工ミスなどで、工事対象物や資材などに発生した損害をカバーしてくれます。

あくまでも工事対象物である「モノ」の損害をカバーする保険のため、不足する部分は必要に応じて別の保険でカバーすることも必要となるでしょう。

そこで、工事現場の事故で発生した建設中の建物や設備の損害をカバーする、建設工事保険について紹介していきます。

建設工事保険でカバーできること

建設工事保険は、建築工事現場で起きた事故による、建設中の建物や設備の損害をカバーする保険です。

工事1件を補償する「個別スポット契約」や、1年間のすべての工事を包括補償する「年間包括契約」などがあります。

カバーの対象になるのは「モノ」の損害

建設工事保険で補償の対象となるのは、建設中の対象物、建設資材などの損害です。

施主が準備した資材と持ち込んだ資材、どちらも対処となります。

予測できない事故での損害が対象

建設工事保険で補償される損害は、不測かつ突発的な事故で発生した損害のため、予測できなかった偶然発生した事故といえます。

 

事故で焼け太りはできない

建設工事保険で受け取ることのできる保険金は、あくまでも損害発生前の状態に戻すためにかかる復旧のための費用です。

損害保険金額の上限は、契約で「保険金」として決めますが、請負工事の代金額を保険金とすることがほとんどです。

損害の復旧自体にかかる費用だけでなく、損害を受けたものの解体や取り壊し、片付けにかかる費用も「残存物片付け費用保険金」が支払われることとなり、臨時にかかる「臨時費用保険金」も支払われます。

施工ミスが原因で工事完成後や引き渡しの後に損害が発生することもありますが、この場合でも特約を付帯することで引き渡し後の一定期間の損害も補償対象に含めることができます。

 

損害賠償責任への補償もプラスすると安心

建設工事保険は建設中の建物や資材の損害を補償するものですが、たとえば工事により他人にケガを負わせたときや、対象物以外の損害はカバーされません。

これらの損害賠償責任のリスクに備えるためにも、別途「請負業者賠償責任保険」へ加入しておくとより安心といえます。