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建設工事における管理下財物とは何を指している?

2020.04.08
分類:リスク
工事に対する保険を考えるとき、「管理下財物」という言葉が出てくることがあります。表現がわかりにくく、何を指している言葉なのか理解が難しいという事業者の方もいることでしょう。そこで、一般的に管理下財物とは何を指すのか、言葉の意味についてご説明します。

管理下財物とは?

管理下財物を簡単に説明すると、事業活動を行うために占有または使用している財物や、直接作業を加えている財物、他人から借りている財物などのことです。これらを総称して管理下財物とよぶことが一般的です。

ただ、工事以外の目的で使用する財物や、工事を遂行するために他人から支給された資材・工事用仮設物の材料を含む設置工事の目的物、貨幣・紙幣・有価証券・印紙・切手・証書・宝石・貴金属・美術品・骨董品・勲章・記章・稿本・設計書・雛形・これらに類するもの、リース契約やレンタル契約・その他賃貸借契約に基づいて他人から借りている財物(仮設施設を除く)、被保険者が保管施設で保管するために預かっている財物などは管理下財物には含まれないとすることが多いようです。

 

建設工事で考えられる管理下財物へのリスクとは?

たとえば住宅やビルなどの建築工事現場において火災が発生することや作業ミスなど不測・突発的な事故により、工事の目的物や工事用仮設物などに損害が発生することが考えられます。各種機械やプラントなどの組立工事現場、道路舗装工事、トンネル工事などの土木工事現場においても同様です。

使用頻度がそれほど多くない工具や高額な重機などは、リースを利用したり元請け会社から借りたりなど、作業に使用することもあるでしょう。ただ、借りているものが高額な場合には、もし壊してしまったときや盗まれてしまったときに多額の賠償費用を請求されてしまうと心配になることもあります。

さらに発注者から支給された建材をうっかり落として壊してしまうかもしれません。建設工事現場では様々なリスクが取り巻いており、十分に注意していたとしてもこれらのリスクが発生しないとは限らないのです。また、落としてしまった資材や道具などが通行人にあたりケガを負わせることもあるかもしれません。

十分な資金力があれば賠償することも可能でしょうが、突然の損害で補填できるとは限りませんので備えが必要となると認識しておくことが必要といえます。

どのような事故が起きる可能性があるのか事前に洗い出し、リスクに対する備えは十分にしておくようにしましょう。