建設工事を行っていると、「音がうるさい!」と騒音や振動に対するクレームが入ることも少なくありません。建設工事現場で様々なトラブルに発生してしまわないように、建設工事において法的な時間規制などはあるのか知っておきましょう。
騒音規制法は、建設工事において発生する騒音をきりがないものとせず、適正なレベルまで抑えて人々の生活を守るためのものです。
建設工事現場では機械や道具を使うことが多いため、それらによる騒音が発生してしまう可能性は否定できません。そこで、騒音規制法では特定建設作業に含まれる作業は規制対象としています。
特定建設作業を含む建設工事を行う場合には、工事を実施する自治体に届出を行うことが必要です。
それにより、特定建設作業周辺の生活環境が著しく損なわれる場合には、自治体から改善勧告や改善命令が出る場合もあります。
そもそも届出を行わなかった場合や、虚偽の内容で届出を行ったとき、改善命令に従わないというときには罰金の対象となるケースもあるので注意しましょう。
騒音を発生する要因と考えられる特定建設作業とは、
・くい打機、くい抜機またはくい打くい抜機を使う作業
・びょう打機を使用する作業
・さく岩機を使用する作業
・空気圧縮機を使用する作業
・コンクリートプラントまたはアスファルトプラントを設けて行う作業
・バックホウを使用する作業
・トラクターショベルを使用する作業
・ブルドーザーを使用する作業
です。なお、それぞれ作業に用いる機材や機械の大きさなどに該当する範囲の指定などが設けられています。
建設作業でどの程度までなら騒音を出しもよいのか、また、工事を行うことができる時間帯などは都道府県・市町村の判断に委ねられていますが、それほど大きな違いはありません。
たとえば東京都の場合、住宅地である1号区域の特定建設作業に対する規制として、
・工事ののべ作業時間は、午前7時から午後7時までの10時間以内
・連続して作業できる日数は6日間
・日曜・祝祭日の作業は禁止
・騒音の上限は85デシベルまで
となっています。
特定建設作業に該当する工事の届出は、自治体によりことなるものの作業開始から7日以上前とされていることが多いといえます。
それに加え、事前に周辺住民へ説明を行い、建設工事作業現場に特定建設作業の内容を掲示するといった努力義務も必要です。