建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事現場の労災を防ぐためのリスクマネジメントとは?

2021.01.04
分類:リスク

作業員が工事を行う現場は、いつも同じというわけではなく、場所や環境、内容も日々変わることになります。そのため危険と隣り合わせの状況にあるといえますが、ちょっとしたミスや油断などが大きな事故につながってしまうと留意しておくべきです。

そこで、日々事故を防ぐためのリスクマネジメントが重要となりますが、どのように進めていけばよいのでしょう。

建設工事の労災を防ぐリスクマネジメントのプロセス

建設業は労働災害が多く発生している業界であり、中でも中小企業の労災発生率は高めであるといえます。日本の建設業者の99%はその中小企業ですので、建設業の労働災害発生件数を抑えるためには、中小の建設業者の安全活動の取り組みが推進されることが欠かせません。

そして工事現場で発生する労働災害を防ぐことも必要ですし、第三者障害・営業事故・設備障害・工事に起因する損害なども事故リスクとしてとらえリスクマネジメントしていくことが必要です。

その際の基本的なプロセスとして、

①リスクマネジメントの目標

②リスクの識別、評価

③リスク対策の作成と選定

④実施計画の評価と改善

という流れが必要になります。

単にリスクマネジメントの目標を設定するだけでなく、低減させる措置を検討し実施していくことが求められます。

 

リスクを低減させるための具体的な措置

リスク低減措置の検討では、法令に定められた事項があれば実施することはもちろん、高リスクのものから優先して検討していかなければなりません。

検討と実施の際の安全衛生対策の優先順位は次のとおりです。

1.作業の廃止や変更と、危険性・有害性の低い材料は除去・変更することが必要です。リスク除去のためには、危険作業をなくすことや見直すことが必要で、作業の計画段階から除去・低減の措置を講じていくことが必要となります。

2.保護柵や光線式安全装置、局所排気装置を設置することや、囲いや手すり、覆いなど設備的な安全防護対策を採用することも必要です。それにより、危険性・有害性に接触しない・できないようにすることができます。

3.立入禁止措置や警報の運用、監視者の配置や2人作業の採用など管理的な対策を採用します。他にもマニュアルの整備や教育訓練なども含まれます。措置を講じることで、危害の重大性を軽減させることが可能となります。

4.安全帯や保護手袋など個人用保護具を作業員が適切に使用することで、危害の重大性を軽減させることができます。なおこの措置によって、上記1~3の措置の代替を図ることはしてはいけません。