建設工事の中でも、外壁工事や塗装のとき、新築工事やリフォームのときに「養生」が行われることがあります。
これは保護をすることを意味していますが、具体的に何のために養生が行われるのかご説明します。
外壁塗装の際には、いくら注意していても塗料が飛び散ることも少なくありません。そのような場合に備え、マスキングテープとビニールシートなどにより塗装箇所周囲を保護する養生が必要です。
建物の基礎をつくるときには木製や金属製の枠にコンクリートを流しこみ土台を完成させますが、コンクリートが固まるまででも養生が必要です。
コンクリートは水とセメントが反応することで固まりますが、その過程において強度を高めていきます。もし温度が上昇し水分が蒸発してしまえば、反応せず強度不足になる可能性もあるため、水密シートや養生マットで温度・水分の管理を行うなど、気温変化や乾燥から守ることが必要です。
また、水とセメントは温度が低いと凍結してしまうこともありますし、反応が鈍くなることもあります。特に寒さが厳しい季節などは外気温の影響を受けやすくなるため、保温するためにも養生は欠かせません。
新築の家を建て、いよいよ引っ越しというタイミングで、家具を搬入するときなどに壁や床に傷をつけてしまうことは避けたいものでしょう。
そのため新築に限らず、引っ越しの際には住宅を傷つけないよう養生により壁や床などを保護します。
キルティングマットやフロアシート、階段マットやプラスチック段ボールなどを用いることが多いですが、出入りが多い玄関や廊下の角などは特に大型の搬入物がぶつかりやすいポイントなので注意が必要です。
他にも廊下のメインになる部分は全面的に養生することとなり、ガス操作パネルや表札なども注意しながら作業を行うことになります。
一戸建て住宅ではなくマンションやアパートの場合には、共有部分も養生が必要になる場合もあるようです。
養生は一般的な言葉として、健康になるため体調を守ることという意味を持っています。
その意味が転じ、建設業界では建材を守ることや事前の対策として施すことを養生と呼ぶようになりました。
傷をつけたり汚したりしないための行為であり、本来のあるべき姿にさせることを意味します。
また、有害物質が飛散させず周りの環境を保護する対処についても養生と呼ぶことがあります。