建設工事現場で、操作に不慣れな作業員が物損・破損事故を起こしてしまうといったケースも見られます。
このようなことのないように、建設業で適切な教育を定期的に行うことが必要ですが、具体的にどのような管理・教育をするべきか事例をもとに説明していきます。
工事車両が起こしてしまう物損事故は、たとえば次のようなケースが該当します。
・工事車両のブレーキが不十分だったために、止めたはずのユニック車が動きだし建物に衝突した
・広さが十分でない場所に軽車両を駐車し、建材の荷降ろしをしていたときに周囲を確かめず方向変換したため家屋の窓ガラスを割った
・クレーン車のブームを上げたままで走行し、電線に接触した
これらの事故は、いずれも作業に不慣れだったことが原因で起きています。
建設業界は人手不足でオペレーターも足りていないため、これまでダンプを運転していた人が重機を運転するケースや、重機のオペレーターだった人がクレーン車を操作するといったケースも増えています。
資格を取れば運転できると簡単に考えるのではなく、運転の感覚の違いや不慣れであることが原因で事故が起きてしまわないように、安全着眼点について教育をしっかりと行いましょう。
新入社員の教育や指導ができるベテランの人材は高齢化し、現場に出る機会もだんだんと少なくなっていることでしょう。
また、年齢の違いや時代の流れで、若い人材とベテラン人材のコミュニケーションがうまく取れないこともあり、安全確保について十分に伝授できなくなっているというケースも見られます。
そのような状況の経験の浅いオペレーターが増えれば、当然、物損事故多く起きることになるでしょう。
ベテラン人材と若い人材のコミュニケーションが疎遠になっていることも踏まえ、物損事故について学ぶことのできる機会を月1回程度儲けましょう。
物損事故を再現・検証し、原因や対策を話し合って、事故の教訓を共有していきます。
ルールの徹底に向けて、決まりごとを記載した紙を目に付く場所に貼っておくのもよいでしょう。
たとえば年1度など、オペレーターを集め操作コンテストを行い、安全かつスピーディな操作ができた方を表彰するといったモチベーションアップにつながる制度を設けることも方法の1つです。
安全教育はたいくつでマンネリに陥りがちですが、取り組み1つで刺激を与え、モチベーションを向上させることができます。