電柱を建てるときには、地盤の質や埋設物の有無などで違いがあるものの、半日程度の時間が必要です。
ただ、地下埋設物が多かったり上空に電線が張り巡らされていたりすると、豊富な経験や熟練した技術などが求められることになるでしょう。
そこで、一般的な電柱を建てる「建柱工事」の流れと、工事で活躍する「穴掘建柱車(ポールセッター)」について解説していきます。
建柱工事では、電柱や大型照明の柱などを差し込むための穴を地面に掘ることが必要です。
そのため「穴掘建柱車(ポールセッター)」という専用車両を使います。
穴掘建柱車(ポールセッター)は、トラックの荷台にクレーンが備わっているような見た目で、クレーンの先にはドリルが付いています。
このドリルは掘削スクリューと呼ばれ、地面に電柱を埋める穴を掘るために欠かせない部分です。
建柱工事は、主に次の5つの流れで作業が行われます。
①電柱の積み込み・運搬
②舗装の破砕
③掘削
④電柱の差し込み
⑤穴の埋め戻し
それぞれの流れについて説明していきます。
穴掘建柱車のクレーン機能で電柱をトラックに積み込み運搬しますが、電柱の運搬には許可が必要になります。
建柱する位置の掘削が必要であるため、削岩機で舗装を破砕します。
市街地の場合、地中に上下水道など埋設物が埋まっているケースが多いため、掘削する前にスコップなどを使って埋設物の有無を確認します。
埋設物がないことを確認した後、穴掘建柱車のアウトリガーを張り出し設置し、アースオーガーで慎重に掘削していきます。
アースオーガーの羽根部分に土が載ってきたら引き上げ、土を落として再び掘削するという流れを繰り返します。
なお、掘削する深さは電柱の長さの6分の1という決まりがあります。
目標とする深さまで掘削した後は、アースオーガーを格納しクレーン車へ変えて、バランスを調整しながら電柱を吊り上げ、差し込みます。
上空の電線などに十分に注意することや、掘削した穴を壊さないことがポイントです。
電柱を穴に差し込み、建てた後は位置や垂直について確認します。
その後、埋め戻しを行うことになりますが、電柱の傾斜や沈下などを防ぐ根枷ブロックの設置を行います。
電柱の長さや地盤の状態などで、根枷ブロックのサイズや取付深さなどには決まりがあるため、それに従うことが必要です。
土や砕石で上部まで埋め戻しし締固めを行った後は、アスファルト舗装材で舗装の復旧作業を行います。