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道路舗装工事で造る構造とそれぞれの層の役割とは

2022.07.23
分類:その他

道路に敷かれるアスファルトによって交通利便は飛躍的に発達したとえますが、人や車を安全・快適に通行させ、上水管や下水菅などの収容や街並み形成などの機能と役割も担っているといえます。

そこで、実際に道路の舗装はどのようなモノでできているのか、その構造とそれぞれの層の役割について説明していきます。

道路を舗装する3つの目的

道路の舗装が果たす役割として、主に次の3つの目的が関係しています。

・路面を設けることで、雨天の泥濘化や乾燥による砂塵を防止し、快適性を保持する

・路面を平坦にすることで、適度にすべり抵抗を持たせつつ、車両の走行や人の歩行の快適や安全性を保つ

・周辺環境に合わせた舗装材を使用することで、景観や環境を良好に創出する

道路舗装の機能を維持させるためには、交通荷重や環境による耐久性が求められるため、路床や路盤には荷重を十分に支持できる築造が必要です。

そのため見た目はアスファルトでも、下には何層にも重ねた築造がされています。

 

道路舗装の4つの層とそれぞれの役割

道路の舗装は大きく34つの層に分けることができます。

表のアスファルトやコンクリート部分が「表層」で、表層の下が「基層」、更にその下には「路盤」があり、上層路盤と下層路盤に分けられます。

最下層は「路床」という土でできた層があり、表層に載荷された交通荷重が上層から下層へ伝わって荷重を分散させます。

荷重分散が土木設計の基本であり、下層では荷重に耐えることができるように、砂利・石・砂などで固め、上層は強度や摩耗性など性能が求められます。

それぞれの層の特徴は以下のとおりです。

表層

最上部の層であり、交通荷重を分散し下部へと伝える役割を担います。また、安全・快適な走行を可能とするため、適当なすべり抵抗性や平坦性が求められます。

基層

上層路盤の上部の層で、路盤の不陸を整生する部分です。表層に加わる荷重を均一に路盤へと伝達する役割を担います。

路盤

上層から伝達された交通荷重をさらに分散させ、路床へと伝達する役割を担います。

下層路盤と上層路盤で構成され、上層路盤には砕石など強度の高い良質な材料が用いられることとなり、下層路盤には強度は比較的小さくても手軽に入手できる材料などが用いられます。

路床

舗装の荷重を支持する地盤のうち、舗装の下面から1メートルほど最下層の部分であり、荷重を最後に受け持つ役割を担う土でできた地盤に近い部分です。