「左官工事」とは、建物の壁や床の下地をモルタルや壁土で造り仕上げていく建設工事です。
現在は手軽な壁紙などに押されてしまい、減少傾向にあった工事といえますが、もともとは歴史的な城や寺院の建築でも多くの職人が活躍してきた分野といえます。
最近では漆喰や珪藻土などの自然素材が仕上げ材として見直され、再度、脚光を浴びつつある工事といえるでしょう。
そこで、左官工事の仕事について、種類や必要な理由を簡単に紹介していきます。
左官工事の仕事は、大きく次の2つに分けることができます。
・壁の下地造り
・仕上げ塗り
それぞれ説明していきます。
壁の「下地造り」とは、建物の竣工の際に表に出ることの少ないプロセスではあるものの、壁造りが成り立たない作業です。
仕上げがペンキやタイル張りでは、仕上げを活かす下地造りのみの作業という場合もあります。
「仕上げ塗り」とは、壁など表面を塗って仕上げる作業のことです。
土壁や漆喰壁では、下地を造った後に中塗りを重ねて、仕上げに漆喰や珪藻土で上塗りをします。
なお、仕上げ塗りでは、上塗りの材料として次の5つがよく使われています。
・土
・砂
・漆喰
・プラスター
・珪藻土
左官工事が必要とされている理由として、次の3つが挙げられます。
・耐久性を高める
・仕上がりを整える
・アレルギー対策に役立つ
それぞれ説明します。
左官工事が必要とされている理由として、耐久性を高めることが必要であることが挙げられます。
床や壁の耐久性を高めるといった重要な役割があり、壁や床の仕上がりを左右する重要なポイントです。
仕上げに良い材料を使ったとしても、下地の出来が悪ければひび割れなどが発生しやすくなります。
左官工事が必要とされている理由として、仕上がりを整えることが必要であることが挙げられます。
壁や床を職人の技で美しく仕上げた壁は、見る人が思わずはっとすることもあります。
職人が生み出す美しい壁や床は、海外から評価も高く、職人技を伝える意味でも左官工事は重要といえます。
左官工事が必要とされている理由として、アレルギー対策に役立つことが挙げられます。
壁や床を塗るときの素材は、土・珪藻土・漆喰などの自然素材がほとんどであるため、アレルギーやシックハウス症候群などの物質は含まず、安心して使用できます。