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タワーマンションの大規模修繕工事で事前に注意しておきたいこと

2020.02.20
分類:その他

一般的に20階以上の階数があるマンションをタワーマンションといいますが、建築基準法における高さ60メートル以上の超高層建築物のことです。

国土交通大臣の認定を受けることが義務付けられているマンションですので、高さがあることで地震に不安を感じることもないでしょうし、100メートル以上のタワーマンションの場合は緊急のときのために屋上にはヘリポートを設置することが義務付けられているほどです。

問題は大規模修繕工事で、12年~15年程度の周期で実施されることが多いことから、仮に外壁がタイル貼りになっている場合など、マンションの下を通行する方に万一落下したタイルが危害を及ぼすことのないよう10年を超えないタイミングで危険な部分のタイルを全面打診することも義務化されています。

ただ、3年以内に外壁修繕工事が確実に行われるのであれば全面打診の必要はないとされとり、足場をかけなければならない必要もあるので13年ごとの周期に大規模修繕工事を実施するマンションが多いようです。

タワーマンションの大規模修繕工事で行う内容

新築のタワーマンションの大規模修繕工事は、1回目は外壁の補修工事、屋上やバルコニーなど床の防水工事、鉄部塗装などを改修することをメインで行い、2回目や3回目にこれらに加え給排水設備、配管・配線など改修を行うことが多くみられます。

設備の一部は、大規模修繕工事とは別の時期に実施する、または同時に行うなどマンションにより様々です。

 

通常のマンションとタワーマンションでは工事の内容が異なる?

通常のマンションなら、修繕工事を行う前に周囲に足場を組み上げて、建物全体を養生します。

しかしタワーマンションになると、高さがあるので枠組足場だけで対応できず、低層部には一部枠組足場を、中層・高層階の外壁はガイドレール式ゴンドラ足場で対応することとなるでしょう。もし建物の中央に吹き抜けがあれば、吹き抜け側にはゴンドラ足場などを利用するといった形になるはずです。

中・高層階でガイドレール式ゴンドラを使うと、外壁に仮設のレールを設置し、ローラーが付いたゴンドラで昇降します。

ゴンドラ自体に養生しておけば、建物に養生をする必要がないので、作業期間以外視界がふさがれることなく、マンションの居住者にもメリットがあるといえます。

どの足場をどこでどんな風に利用するかは大規模修繕工事にかかる費用や工期、マンションの形状などにより異なります。

 

タワーマンションにより形状などは様々

タワーマンションによって建物の形状は色々ですし、中には店舗が入っていることもあるので条件が変わってくるなど、一般のマンションと大きく異なる点を理解しておく必要があります。

さらに高層になればなるほど風の影響を受けやすいため、風速計を設置しておき風が強い場合は工事を中断しなければなりません。作業部分の養生はもちろんのこと、立ち入り禁止区域を確保するといった対応も求められます。

また、タワーマンションには免震装置など特殊な設備が備わっている場合もあるので、それによっても大規模修繕工事の内容が変わってくると認識しておいてください。