高層ビルを建てるときには、効率よく資材を運ぶことが必要となりますが、このときに使われるのが建設用クレーンやタワークレーンです。
タワークレーンはビルが高くなることに合わせ、自分でのぼっていくことになりますが、タどうやってビルの上にのぼっていくのでしょう。
そこで、高層ビルを建てるときに使われる建設用クレーンやタワークレーンの特徴について解説していきます。
重い荷の吊り上げや移動などを行う建設用クレーンのうち、高層ビルや大型建造物を建設するときには「タワークレーン」が使用されます。
一般的な移動式クレーンと違って、建物の敷地が狭く、重機の設置スペースがない建物を建設するときにも使えることが特徴です。
また、移動式クレーンのように入退場経路や待機場所など考慮しなくてもよいため、長期間設置することにも適したクレーンといえます。
なお、タワークレーンは作業終了後に解体され、次の建設現場で再び利用されます。
タワークレーンには次の2つの種類があります。
・マストクライミング方式
・フロアクライミング方式
それぞれ説明していきます。
建物にそってマストを設置し、さらにその上にマストを継ぎ足しのぼっていくのが「マストクライミング方式」です。
マストは順次、壁つなぎ材でつなぎ、解体するときには反対の手順で本体を下げ、マストを取り外していくことになります。
鉄筋コンクリート造の超高層マンションやビルなどは、このマストクライミングのクレーンが使われます。
建物とは別で設置されるため、組み立てと解体は比較的容易にできることが特徴です。
ベースに一定長さのマストを設置し、ベースごとに上階へのぼっていくのが「フロアクライミング方式」です。
クレーン本体を最上階へ固定し、ベースとマストを引き上げながら目的のフロアで固定し、クレーン本体をマスト最上部まで引き上げます。
鉄骨造(S造)の超高層ビルではフロアクライミング方式が使われています。
作業半径を有効活用できるため、比較的、能力の小さなクレーンでも効率的な作業が可能です。
タワークレーンで部品を吊り上げ、屋上に小型の解体用クレーンを組み立てます。
そして、組み立てた解体用クレーンを使ってタワークレーンを解体するといった手順を繰り返し、だんだんとクレーンを小さくしていきます。