工場・倉庫の施工を始める前には、次の事前準備が必要です。
・設計図書の作成と確認申請
・設計図書に基づく見積書の作成
・完成までの工程表の作成
・行政への届け出
・近隣住民に対する挨拶と工事内容の説明
これらの準備を事前に行った上で、工場・倉庫を施工する場合には主に次のような流れとなります。
①基礎工事(とび・大工・コンクリート)…杭打ち(建物の土台をつくる工事)・とび工(作業の足場組みや建設現場の囲いをつくる工事)
②柱・壁・床工事…鉄筋工(鉄骨を組みコンクリートの壁や床の強度を高める工事)・型枠工(鉄骨周りにコンクリートを流し込む型枠の貼り付けを行う工事)
③左官工事…壁や床、天井、階段にセメントと砂を混ぜ合わせたものや土を塗る工事
④タイル工事…玄関や外壁にタイルやレンガを貼る工事
⑤電工事…電気を配線する工事
⑥配管工事…ガス、水などを流す管を設置する工事
⑦造園工事…植物の栽培や手入れ、池の作成などの工事
工場や倉庫が自然災害などに遭ったときでも、被害を抑えるための土台となる基礎工事は非常に重要な部分です。
杭を打ち、コンクリートを流し込み地盤を固め、鉄筋の土台で建物をしっかりと支える基礎をつくることが必要といえます。地盤の硬さによりどの技法を用いるか異なりますので、専門的知識と技術が必要な部分であり、対応できる人材も限られることから工期や費用が大きく左右されるところでもあります。
工期を長引かせない、費用をかさませないためにも、適切な技術者(業者)選びが重要となる部分なのです。
工場を建設するためには、着工する日の60日前までに工場設置認可申請を提出しておかなければなりません。この申請手続きが完了していなければ、基礎工事も建築工事も開始することはできないとされています。
申請手続きにはいろいろな書類が必要になりますので、着工日まで充分に余裕を持った上で準備するようにしてください。
なお、基本的に工場や倉庫の工事の元請けはゼネコンです。ゼネコンとはゼネラルコントラクターのことで、自らが設計から施工、研究などを行う総合請負会社を指しています。
建設工事の種類ごとに、それまでの施工実績、施工能力、経営管理能力、資金力、社会的信用力などを踏まえた上で、どの専門工事業者を選ぶか決めます。