電力会社から供給された電力を受け止める配電盤は、工場や商業施設などのように電力を大量に必要とする場所に設けられています。
電気を配電盤で受け取り、分電盤を介しそれぞれのフロアなどに電力を送るという流れです。
そこで電気工事にも関係する配電盤と分電盤の役割について説明します。電力会社からの電力を受け取る装置が配電盤です。
発電所でつくられた電気は、変電所や送配電線を経由しながら人が住む家やビルなどの建物へと送られていきます。この過程において、熱や振動、抵抗などによりだんだんと電力は失われることになりますので、できるだけ大きな電力を一気に送るために必要になるのが配電盤です。
分電盤では大きい電圧を受け取ることはできませんので、一旦配電盤で受け取った後に電圧を変化させそれぞれの建物の分電盤に電気を送るという流れになります。
配電盤にはキュービクルと開放型という2種類の構造があります。
キュービクルは閉鎖型と呼ばれる配電盤で、金属製の箱に変圧や送電に必要な機器が収納されています。
開放型は鉄製フレームに機器が取りつけられていますが、従来使用されていたタイプです。現在は安全性や保守性の面からキュービクルの配電盤が主流といえます。
なお、配電盤には電気容量を確認するための装置や、電気回路が故障したときに対応する遮断器などもおさめられています。
分電盤は建物のそれぞれのフロアに電気を分けて送るための装置で、住宅用と施設用など種類がありますが、住宅で使用することを目的とする住宅用分電盤の役割や構造は次のとおりです。
電気を分ける役割を担う機器であり、漏電や電気容量の確認など安全確保の役割も担います。
屋内と屋外のどちらに設置されるかによって構造は異なります。屋外タイプのものは耐候性が保たれていることが特徴ですが、屋内タイプのものは水に弱い特性をもっています。ただ、最近では防食・防塵・防滴といった機能の屋内タイプの分電盤もあるようです。
なお、分電盤の外箱の材質も設置する場所により違いがあります。屋内タイプなら鋼板製のものでもよいですが、屋外タイプは耐候性が保たれることが重要となるため、ステンレス製のものが適しています。ただ、ステンレスになると費用がかかるので、溶融亜鉛メッキを施した耐候性を強化させた鋼板なども利用されています。