ビルや商業施設だけでなく、ダムやトンネル、鉄道など社会インフラなどまで幅広い建設工事を手掛けていくゼネコンの存在。
建設業界に欠かすことのできない存在ともいえますが、一般的な建設会社との違いがよくわからないという方もいるようです。
そこで、ゼネコンとは具体的にどのような仕事を行っているのか、その内容などをご紹介します。
ゼネコンの事業として主に上げると、土木や建築工事を請け負い建設することです。社会インフラから公共施設、商業施設など様々なものが対象となりますが、直接ゼネコンで働いている社員が工事を行うわけではないことが特徴です。
工事を請け負ったゼネコンは、専門の工事業者にその仕事を下請けで発注することとなるため、現場で工事を実際に行うのはゼネコンから仕事を引き受けた業者です。
ゼネコンは現場において、下請け企業の管理・監督を行いながら工事を円滑に進めていくことにつとめます。
受注先から指示された納期までに建築物を完成させることが大切ではあるものの、現場で工事を行う作業員の安全も確保することが求められます。
工事が遅れ納期に間に合わなくなった場合も、工事を行う作業員が事故に遭った場合も、どちらも最終的に責任を負う立場にあるのはゼネコンです。
そのため現場でこれらの問題が発生しないようにすることがゼネコンの役目といえます。
主な事業は建設物の施工が主な事業のゼネコンですが、それぞれ得意分野は異なります。
ダムやトンネルなどの土木工事は請け負わず、建築工事だけを行うなど土木と建築の売上比率も異なりますし、建築・土木の中で得意する分野も違うのです。
また、ゼネコンといっても規模などに違いがあるので、得意分野や規模における種類とそれぞれの特徴を把握しておきましょう。
日本の建設業界において存在感を示すスーパーゼネコンと呼ばれるのは、鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店の大手5社です。
事業領域の広さに扱う案件の多さと大きさが特徴であり、施工だけでなく設計、研究開発、エンジニアリング、都市開発などの部署を設けながら幅広い領域でのノウハウや技術を保持しています。
開発事業はディベロッパーと呼ばれる企業が計画を立て、それに沿ってゼネコンが建設を進めることが一般的です。ただスーパーゼネコンになると開発計画まで行うこともあるなど、開発から工事まですべて請け負うことが特徴といえるでしょう。
マリン・コントラクターを省略した呼び方で、海洋土木工事に強いゼネコンのことです。
埋め立て、護岸、海底トンネル工事などを行いますが、これらの工事は専門性の高さが問われることから新規参入が容易ではないことが特徴といえます。
日本のマリコンとして知られているのは、五洋建設、東亜建設工業、東洋建設などが挙げられます。
道路舗装を主力事業とする企業などは、国や地方公共団体から発注された公共工事をメインとして、社会インフラの整備や新設、補修などのメンテナンスなどを中心に行います。
道路舗装のゼネコンとして挙げられるのは、NIPPO、前田道路、日本道路などです。