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改修工事や改装工事など混同しそうな言葉の違いとは?

2020.06.05
分類:その他

建設業界では修繕工事や改修工事という言葉が飛び交うことがありますが、どちらも建物に手を加えることに変わりはなくても、厳密に違いがあるのか気になるところです。

そこで、修繕工事や改修工事、改装工事などそれぞれどのような意味を持つ言葉なのか知っておくようにしましょう。

修繕工事とは?

まず修繕工事ですが、これは現状を新築した当初の水準まで回復させるための工事を指した言葉です。

修繕工事を行う理由として、建築した建物が経年により劣化したことや使用による損耗などで不具合が発生するからといえます。

劣化や不具合が発生した部分をそのままにしていれば、さらに劣化が進みまったく使い物にならなくなる可能性があります。そこで、問題なく使用することができるような状態まで回復させるために修繕工事を行います。

マンションなどでも12年ごとなど一定のサイクルで大規模修繕工事を行うことになりますが、外壁や屋上の防水工事、給水管や排水管の交換など長期に渡る工事期間において修繕を行うこととなります。

 

修繕工事と改修工事は同じではない?

修繕工事が原状回復させるための工事であるのに対し、改修工事は建物を修理や修復して改めることです。原状回復だけでなく、機能の向上をアップさせることを目的とする工事が改修工事といえます。

たとえば地震が発生しても以前より安全性を保つことができるように耐震性能を高める工事や、住宅設備向上に向けた断熱住宅にすることなどが改修工事です。

さらに高齢者に向けた住宅のバリアフリー化やエレベーターの新設なども改修工事として扱われます。

 

改修工事と混同されがちな改装工事とは?

改修工事と混同されがちである改装工事とは、建物の内装や外観の装いを改める工事を指しています。

新しい建物に作り変えることであり、内外装の模様替えと理解するとわかりやすいでしょう。

 

大規模改修工事では建築確認申請が必要

建築確認申請が必要な行為は、建築基準法第6条によると、増改築、大規模の修繕、大規模の模様替え、用途変更などです。

そのため大規模の改修工事や改装工事を実施する時には、建築基準法に基づいた建築確認申請を行うことになります。

建築確認申請とは工事計画が建築基準法に合った内容になっているか確認してもらうことですが、どこからが大規模であると判断すればよいか迷うこともあるかもしれません。

この場合、建物の主要構造部分となる壁・柱・床・梁・階段のうち、1種類以上の部分でおおむね半分以上の大きさである場合と認識しておくとよいでしょう。

例えば外壁の補修の場合には過半であれば申請が必要となりますが、

・外壁の外装材のみを修繕・模様替えする場合

・既存の外壁を残し別の素材で覆う場合

・外壁の室内側だけを修繕・模様替えする場合

などは、どれも確認申請が必要です。

ただ、複数の主要構造部を修繕や模様替えしたとしても、1つの主要構造部の過半に至っていないのなら確認申請は必要ありません。