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建設業界にアベノミクスがどのように関係したのか?その影響とは

2020.06.11
分類:その他

真面目に働いているのに生活は楽にならない…といった日本経済の課題克服を目指して、安倍内閣総理大臣が第二次安倍内閣で掲げた経済政策「アベノミクス」。そのおかげで建設業界にもたくさんの公共事業の仕事が舞い込みました。

2011年に起きた東日本大震災の復興事業や2020年の東京オリンピックなど、建設工事が増えたこともその理由です。

しかし、公共事業は腐敗政治の象徴という意見も取り入れられたことなどで不況に陥った建設業界を目指す若い世代は激減し、今は深刻な人手不足という悩みを抱えています。

そもそもアベノミクスとは?

アベノミクスとは201212月に発足した第二次安倍政権が打ち出した一連の経済政策のことで、大胆な金融政策・機動的な財政政策・成長戦略という三本の矢を成長戦略に経済成長を目指すというものです。

大胆な金融政策として、日銀は2年で2%の物価上昇率を目標とし、大量の国債買い入れ市場に大量の資金供給を行う大規模な金融緩和で、デフレ心理を一掃するものです。

機動的な財政政策は低金利によりリニア中央新幹線などのインフラ整備を進め、公共工事上積みで需要拡大を狙うというものです。

成長戦略では規制緩和で経済の実力を引き上げるという内容になっています。

さらに企業成長を後押しするため、法人税の実効税率の引き下げなど、自由貿易の推進で経済活性化を狙うためにTPP環太平洋パートナーシップ協定など交渉を加速させることも行われました。

 

アベノミクスが経済にどのような効果を?

実際にアベノミクスで大きく変化したのは金融市場で、長年の円高を異次元といえる金融緩和策により急速に円安方向へと変動させました。

株式市場も急速に回復し、企業の経常利益も2012年度の484000億円から2018年度には839000億円まで拡大するという結果に至っています。

企業活動や雇用情勢も改善され、201212月の有効求人倍率0.83倍から2018年8月には1.63倍まで上昇されました。

 

建設業界が必要とする現場監督の不足

しかし建設業界は若い世代の人数が激減し現在は深刻な人手不足という状況です。

職人数はそろったとしても管理して現場に投入する現場監督がいない状況なのは、テキスト化されず実際に現場で学び経験を積むことで育つ現場監督の特徴も関係しているといえます。

現場監督は裏方仕事が多く、全体の進捗状況から様々なことを判断する能力が必要です。さらに建設現場の安全確認なども現場監督にゆだねられるため、建設業界で問題視されている労災事故の減少にも大きく関係する人材といえるでしょう。