土地を所有している方が宅地にしたいと考えているものの、農地や傾斜地の場合にはすぐに宅地として利用することはできません。
仮に山を削って宅地開発する場合でも、石などが散乱していたり平坦でない状態の土地だったりすると、その上に建物を建てるのは困難です。
そのために行うのが土地の造成工事ですが、具体的にどのようなことを行うのか、その内容をご説明します。
造成工事とは山や丘、川などの土地に対し、たとえば山を切り崩したり土を盛ったりなどで建物を建て道路を造ることを可能とするように整備していく工事です。
土地の造成にも目的や用途などで種類が分かれており、行う工事内容も違ってきます。
土地造成のうち、宅地造成等規制法の規定に従いながら宅地以外の土地を宅地へと変えるため、土地を整えます。一定規模以上の工事を行う場合、造成工事の許可が必要です。
なお、造成と混同されやすい言葉に「整地」という言葉がありますが、整地は建物を解体後に解体により発生した木材やコンクリート片など廃材を取り除いて土地を整えることです。
たとえば地面を掘り過ぎてしまっていれば、適度な高さになるよう土を入れ上から踏み固めるなども行います。
造成は広い範囲で土地自体を開拓することなので、整地とは工事を行う範囲が異なると理解しておきましょう。
元々の地形が複雑になっている土地なので、傾斜角度が大きい部分を大きく変更する必要がある場合には、切土や盛り土で土地を整えていくことになります。
基本的には山を切り開く工事はありませんが、樹木があれば伐採・伐根など除去を行うことが必要です。
また、田畑は道路より高さが低いことが多いので、土を埋めかさあげすることも必要になる場合があります。かさあげを行う場合、端が崩れないように土留めで擁壁することも必要となるでしょう。
造成にかかる工期は、行う土地の面積や傾斜地と平坦地の違い、擁壁の必要性の有無など、いろいろな条件で大きく変わってくるといえます。
一律では判断できませんが、それほど面積が広くない平坦地であれば6か月から1年未満ほどで可能となるでしょう。
なお、先にも述べた通り宅地造成は「宅地造成等規制法」により造成を可能とする業者が決められていますので、誰でも自由に行うことはできません。小規模や中規模の造成なら、解体業者や外構業者に依頼されることになるといえます。