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建設業の中でも左官工事の種類や工事の目的とは?

2021.04.09
分類:その他

モルタルや壁土を使用し、建物の壁や床の下地を造って仕上げるのが左官工事です。

壁紙などのほうが手軽なため、一時期は減少傾向にありましたが、近年では漆喰や珪藻土などの自然素材を仕上げ材として用いられるようになりました。

そこで、近年では再び脚光を浴びるようになった左官工事の種類や工事の目的を解決します。

下地造りと仕上げ塗りの2つの仕事

左官工事では、モルタルや壁土などの材料を使用し、建築物の壁や床を塗り固めていきます。

コテを自由自在に動かしながら壁を塗る作業を左官工事の職人の姿として想像する方も多いでしょうが、実際には壁の基礎である下地造りがほとんどを占めています。

左官工事の仕事には次の2つが挙げられますので、ぞれぞれの内容を確認しておきましょう。

壁の下地を造る仕事

建物の竣工のときには表に出ることは少ないですが、壁の下地造りをしっかりしておかなければ壁造りが成り立ちません。

ペンキやタイル張りで仕上げるときには、活かすための下地造りだけを作業とすることもあります。

仕上げ塗り

壁などの表面を塗り仕上げる作業で、土壁や漆喰壁であれば、作った下地で中塗りを重ね、最終的に漆喰や珪藻土で上塗りを行って表面を仕上げます。

塗り方次第で耐久性を左右するため職人の卓越した技術と芸術性が求められますが、仕上げ塗りで使用される上塗りの材料には次のようなものが挙げられます。

・土…種類により壁の表面に個性を出すことのできる材料で、和室などで多く用いられます。

・砂…材料として使用することにより、仕上がりを滑らかにできます。和室や茶室だけでなく、客間や洋室にも使用される材料です。

・漆喰…砂や糊などを石灰石に加え、水で練り上げて作った材料です。呼吸する材料ともいわれており、湿度の高い時期には水分を吸収し、乾燥しやすい季節などは水分を放出するなど、室内の湿度を快適に保ってくれることが特徴といえます。

さらに原料である石灰石は不燃性であり、防火性が高くシックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドも吸着・除去します。

・プラスター…鉱物質の粉末を水で練り作った石灰や石膏のことで、白い美しさの輝きを放つことが特徴です。

・珪藻土…化石化した植物プランクトンの死骸のことで、自然素材で有害な化学物質を含んでいません。吸水性・耐火性・断熱性に優れていることもメリットといえるでしょう。