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建設現場で必ず必要となる設計図と施工図の違い

2021.06.14
分類:その他

建物を建設するときには設計図と施工図が必ず必要になります。

設計図と施工図はどちらも現場管理者が確認し、職人に指示を出し建物を完成に導く上で重要であることは変わりませんが、意味が異なる図面です。

設計図がなければ施工図は生まれず、施工図がなければ現場を動かすことはできません。

そこで、設計図と施工図がそれぞれどのような役割を担う図面なのか、誰がいつどのように描くのかその内容についてご説明します。

設計図とは何のために誰が作成する図面?

設計図は、設計事務所に従事する1級建築士や2級建築士が描く図面です。どちらの資格かにより、設計できる建物規模は異なります。

いずれの場合でも建築士は、建主の意向を聞き入れて建物の規模や敷地での位置、間取り、内装や外装仕上げなどを図面に盛り込んでいきます。

図面には意匠・構造・法規に絡むものから、電気設備・水道・空調・換気などの機械設備に関する図面まですべて含みます。

そして作成された図面は、都道府県の建築主事と呼ばれる確認検査機関の審査を受け、合格しなければ建物を建築できません。

設計図をもとに実際の工事金額の見積もりを作成することもありますし、細かな打ち合わせで施工方針を決めるときに使われることもあります。

建物を建てるときの基本的な事項を決める上で必要な図面であるため、いい加減な作成をすれば建物自体に大きく影響してしまうことを留意しておくことが必要です。

 

施工図はどのように誰が作成する?

施工図は設計図に組み込むことができない細かなことや、実践的な内容を含めた図面といえます。

現場で図面を使うため、詳細な事項が記載されており、たとえば細かい寸法や使用材料などまですべて書き込むことが必要です。

施工図を作成するのは施工業者の現場担当者で、作成するには施工管理技士または建築士の資格が必要となります。

まずは現場の建築担当者が平面や断面の詳細図を作成して、その図面をもとに電気や機械設備の担当者が必要な項目を加えていきます。

それぞれの専門業者が意向を話し合いながら、施工図の修正を何度も繰り返し行い、現場の職人に向けた図面に仕上げておくこととなります。

そのため設計図は建築士が建築事務所で描いた建物の参考になる図面であり、その図面を参考にしながら、実際に現場で使うことができるよう詳細な内容を書き加え修正した図面が施工図といえます。