建設工事の現場で、足場として使用されるのがゴンドラです。
このゴンドラについて労働安全衛生法では、
「つり足場及び昇降装置その他の装置並びにこれらに附属する物により構成され,当該つり足場の作業床が専用の昇降装置により上昇し,又は下降する設備をいう。」
と定義されており、新築工事やメンテナンス工事などで多く使われるようになっています。
そこで、ゴンドラにはどのような種類があるのか、設置前に注意しておきたいことについて説明していきます。
工事現場で足場として使われるゴンドラは、労働安全衛生法で次のように分類されています
・種類
アーム固定型
アーム俯仰型
懸垂型
デッキ型
チェア型
・走行の形式
軌道式
無軌道式
定置式
・作業床の形式
ケージ式
デッキ式
チェア式
・アームの運動の形式
伸縮
先端旋回
元旋回
さらに用途別に常設型と可搬型に分けられます。
まず常設型とは、ビルの屋上などに常時設置され、窓ガラスの清掃の際の足場として使用されるものです。
可搬型は、ビルを新築するときや補修のとき、または清掃や塗装作業などを行うときに都度設置し、その後、解体・撤去が簡単で運搬できるものであり、デッキ型とチェア型があります。
いずれにしてもゴンドラの操作については、操作における特別教育を受けた資格者でなければ操作できませんので注意しましょう。
ゴンドラを設置するときの計画でポイントとなるのは、
①ケージ本体の重量と積載荷重を充分に支えることができるつり元を確保すること
②つり元からケージに至る吊りワイヤロープを確実に取り付けること
③作業員と通行人に対する安全を確保するための環境対策を行うこと
です。
そこで事前調査に基づき、建物と作業内容に最も適していると考えられる屋上の固定方法や、ゴンドラの機種を選ぶようにしましょう。
ゴンドラを設置するときには、主に次のような流れで作業を進めていきます。
①作業開始前のミーティングの開催
②機材の現場搬入
③立ち入り禁止措置
④水平親綱を設置
⑤台付けワイヤロープの取り付け
⑥突りょう・フックの設置
⑦吊りワイヤロープの取り付け
⑧電源が上にあるときはキャブタイヤケーブルの取り付け
⑨垂直親綱の取り付け
⑩キャブタイヤケーブル・ワイヤロープの取り付け
⑪ゴンドラのつり込み・試運転
そしてゴンドラを使用し作業するときには、作業開始前に点検を行うことが必要です。さらに1か月に1回は定期的な自主検査を実施しましょう。