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転落死亡事故は用具の使い方を誤って発生することもある!

2016.11.15
分類:その他

建設工事の足場作業には墜落や転落というリスクが常につきまとっている状況です。高所作業で欠かせない足場や作業床は、事故が発生すれば警察や労働基準監督署が調査を行います。

発生した事故の調査では一定パターンがあることがわかっており、事故発生の原因として、手すりの設置や床の固定が行われていないことや、安全帯が使用されていないこと、材料が貧弱というような法律で定められた転落防止対策が行われていないことがほとんどのようです。

用具による転倒・転落事故が多く発生しているため、取り扱いには十分注意する必要があります。

労働中の死亡事故で最多の事故
墜落や転落事故は、労働中に起きる死亡事故の中でも最も多い事故原因です。建設現場では、はしごや脚立などの用具を使うこともありますが、扱いが不適切な場合や不注意で転倒・転落する事故が多く発生しており最悪の場合には死亡に至ることもあります。

はしご使用で注意すること
柱と柱をつなぐ梁にはしごを立て掛け、上端の掛かりが少なかった上に寝かせ過ぎた状態であったことが原因で転倒死亡事故が発生するなど、はしごは使い方を間違うととても危険です。

また、はしごは自立せず立て掛け高所に昇降するために使うものですので、はしごに乗ったままで作業することも禁止されています。他にも次のようなことに注意して使用するようにしましょう。

・傾斜や滑りやすい場所ではしごを使用しない
・はしご側面の角度を指示するラベルを参考にして約75度の角度に保つ
・はしご上端の掛かりは十分に取る
・はしご昇降時は補助者がはしごを支える
・はしごから横方向に身体を乗り出さない

脚立使用で注意すること
脚立を砂利の上に置き、脚立が不安定な状態で作業し転落したという事故も発生しています。

昇降面の前後方向には安定するのですが、左右方向には転倒しやすい特徴があります。脚立に関しても次のことに注意して使用するようにしましょう。

・跨いで使用しない
・砂利や軟土、段差のある場所など不安定なところで使用しない
・昇降の際は慎重に
・脚立から横方向に身体を乗り出さない

労災保険から全て補償されないことの理解を
労働者を労災事故から守るために、労働安全衛生法では元請会社等に現場の安全性について配慮する義務を課しています。

しかし実際のところ、労働者の安全が十分に配慮されているとはいえない会社も多く、労働者側も規則を守らず注意がおろそかになっている場合があります。

建設現場で働く労働者は労働者災害補償保険法で治療費や休業補償等の給付を受けることができるように労災保険で補償されています。

ただし労災保険だけで補償しきれない損害は、会社側に安全配慮義務違反があれば会社が負担することになります。そのため労働者の安全についての配慮は十分に行うようにしましょう。