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平成29年度以降は建設業の社会保険未加入業者対策が強化?!

2017.04.06
分類:その他

建設業を営む場合、社会保険への加入に注意する必要があります。これまで建設業の社会保険加入状況については、前々から国が指導を続けていました。
平成29年度までに社会保険への加入率は100%を目指していたこともあり、平成29年4月からは社会保険未加入事業者への対策が強化となります。


具体的な強化の方針とは?
平成29年度以降からは、作業員が特段の理由がないのに社会保険未加入である場合、現場入場は認めないという取扱いにすべきこととしています。
1次下請業者はもちろん、2次以下の下請業者についても、社会保険未加入業者の現場入場は元請業者が認めないことになります。

・特段の理由のある労働者とは?
社会保険未加入でも認められる特段の理由がある労働者とは、60歳以上で厚生年金保険に未加入の場合である場合です。雇用保険に未加入の場合は該当しませんので注意しましょう。
また、伝統建築の修繕などで工事施工に関して特殊な技術を有しており、入場を認めないと施工が困難な場合も特段の理由として該当します。
さらに現在加入手続中である場合や、今後は確実に加入が見込まれるといった場合も認められます。

・社員なのか請負関係になのか確認が必要
作業員が雇用されている社員なのか、それとも請負関係の一人親方なのかを明確にするなど、雇用と請負かをはっきりさせることも必要になります。それによって作業員に適切な保険の加入が促されます。
下請会社は自社の社員と請負関係である一人親方などを明確に分けて、社員に適切な保険に加入させることが必要です。

・適切な保険について
適切な保険については、雇用する会社や個人事業主の規模などで異なります。なお、詳しい内容は国土交通省から平成24年11月に施行された「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」に記載されていますが、法令上、加入義務のある保険への加入は求められますが、加入義務のない保険へ加入することまでは求めていません。


下請会社が加入すべき保険
下請会社は一人でも常用労働者を雇う場合には、適用除外される場合を除いて雇用保険に加入させることになります。これは個人事業主でも同様です。
そして適用事業所(法人・個人事業主)で社員が5人以上いる場合には、適用除外される場合を除いて健康保険・厚生年金保険に加入する必要があります。


元請会社が注意する点
元請会社は作業員名簿に記載されている作業員が下請会社の社員なのか請負関係にある者なのかわからない場合、下請会社に確認して適切な保険に加入しているかの確認も必要です。
なお、請負関係にある一人親方などは国民健康保険か建設国保等、国民年金を指しています。


建設業は社会保険の未加入に注意
国交省は社会保険へ加入を促すことが目的で対策を強化しています。未加入業者を排除することが目的ではありませんので、現場への入場制限によって工事に影響が出ないように正しく社会保険への加入を実施することが大切になります。