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建設現場におけるヒヤリハットを報告する重要性

2018.01.05
分類:その他

近年では建設現場で労働災害は減少傾向ではあるものの、まだ事故が発生している状況です。1つの大きな事故の背景には29件の軽微な事故があり、300件のヒヤリハットがあると言われる「ハインリッヒの法則」からも分かるように、労働災害を撲滅させるのはヒヤリハット段階で危険と思われる芽を摘んでいくことがとても大切だと言えるでしょう。
ヒヤリハットとは事故には至らなかったけれど、ヒヤリとしたりハッと気が付いたりした出来事を指しています。
建設現場では多くのヒヤリハット情報を収集し、それらを分析しながら事故防止の対策を講じていくことが重要です。


ヒヤリハット報告が事故を防ぐことに繋がる?
例えば安全ミーティングやKY活動なども災害を防止することを目的として行われます。しかし事前に考える対策が主なので、既に起きた危険について報告を受け情報を収集するヒヤリハットの分析とは内容が異なります。
既に災害に繋がってしまった事例はヒヤリハットには含みません。重大な事故にはつながらないアクシデントがヒヤリハットであり、事例を収集、共有、対策を練ることによって、不安全な行動や状態を無くし事故や災害を軽減させることができるでしょう。


ヒヤリハット報告書の活用を
ヒヤリハットの情報を収集するためには「ヒヤリハット報告書」を活用しましょう。法律上で提出義務や保管義務はないものの、建設現場単位では一定期間や全国安全週間の時などに提出を求められることが多くあります。
書式についても、現場や企業によって違いがありますが、事故や災害を減少させる目的で使用するためにも、いつ・どこで・何をしていたときに・どのようになったか、またはどのようになりそうだったのか・その原因・それについての対応策などは抑えておくようにしましょう。


些細なことでも危険を感じたら報告が必要
ヒヤリハットを報告する際に、どの程度の「ヒヤリ」や「ハッと」を報告すれば良いか迷いが出てくるケースもあるようです。しかし少しでも危険と思われる可能性があるものは全て報告することが重要だと考えておきましょう。
些細なことでも報告することにより、そこから労働災害が起きることを防ぐことが可能になるでしょう。これくらいは報告しなくても良いだろうと軽く考えるのではなく、思わぬ気づきは全て報告するといった徹底も必要です。


他業種のヒヤリハットも確認しておくこと
なお、厚生労働省の「職場の安全サイト」では、「ヒヤリハット事例」が随時追加・報告されています。建設業だけでなく、製造業や飲食、介護など、色々な職種の事例が公表されていますし、転落や墜落、転倒、激突など、カテゴリを分けた事例で確認することもできます。
色々なヒヤリハットを確認しておくことで、建設業でも考えられる事故や災害を想定することに繋がりますので確認しておくと良いでしょう。