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建設業は死亡災害の発生率が高い?改善するために必要なことは?

2018.02.23
分類:その他

建設業は他業種よりも死亡災害が多く発生している業種と言えます。建設業の労働者数の比率が、全産業の約1割であることを考慮した場合、死亡災害の比率が約35%である事実はとても高い状況だと言えるでしょう。
この状況を改善するためにも、企業それぞれが安全に労働できる環境づくりなどへの取り組みを行う必要があります。


建設現場では足場からの転落による死亡が多い
建設業全体を年別で見た場合、労働災害による死亡者数は年々減少傾向にはあります。しかし、墜落によっての死亡災害は毎年40%前後発生するといった高い比率を占めています。
建設現場の足場から死亡した人の被災時の行動を分析した場合、約57%の割合で組み上がった足場上で作業していた時、または移動していた時に起きているようです。次の多いのが、足場の組立て時や解体作業中で約35%を占めています。


企業ができる取り組みとは?
厚生労働省は平成 29 年の労働災害による死亡者数が増加傾向にあることに懸念し、職場においての死亡災害撲滅に向けた緊急要請を行うなど対策を講じています。
しかしこの緊急要請に関係なく、企業では安全衛生活動の総点検などを行っていく必要があるでしょう。
基本的な安全管理の取り組みをはじめとして、安全作業マニュアルの遵守や状況確認、職場内の安全衛生活動の総点検の実施が求められます。
安全管理者、安全推進者、安全衛生推進者などの選任、そしてその職務を確実に遂行させることや事業場内の安全管理体制の充実を図ることが必要ですし、労働者に対する教育の徹底なども実施していきましょう。

・死亡者数増加の業種に必要な策
特に現在、死亡者数が増加している業種には、建設業、陸上貨物運送事業、林業、製造業などが挙げられます。
建設業もその1つですので、労働者の立ち入りを制限すること、さらに誘導員の配置など、車両系建設機械と接触しないような防止策を必要とします。
高所作業において作業床の設置、安全帯の着実な使用、墜落や転落防止対策を実施すること、リスクアセスメントや機能安全による機械設備の安全対策、優先順位を付けた点検と補修などを実施していきましょう。


死亡災害の撲滅と労働災害の減少に向けて
労働災害は本来あってはならないものですので、死亡災害の撲滅を目指す取り組みは必要不可欠です。
労働災害のない職場づくりを行うことで、人材を確保し、養成していけることに繋がります。
企業が活性化するためにもメリットがあるので、死亡災害の撲滅と労働災害全体の減少に向けた安全活動への取り組みを実施していきましょう。