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2020年に開催される東京オリンピックで建設業界が受ける影響は?

2018.07.30
分類:その他
これまで日本でオリンピックが開催されたときの建設業の就労者数をみると、1964年の東京が開催地だったときは開催の2年前、1972年の札幌や1998年の長野が開催地のときには開催前年にピークを迎えました。 そうなると、2020年に開催予定の東京オリンピックにおける建設需要は、開催の2年前から前年までにピークを迎えと予想されます。 すでにそのピーク時に入っていることも考えられますが、工期が厳密に定められている建築需要が高まることで、今建設業界で問題視されている人手不足はどのようになるのか考えておかなければなりません。

オリンピック開催で人手の需要が高まる業界は?

オリンピックが開催予定ということで人手の需要が高まるのは建設業界だけでなく、観光業や宿泊業なども顕著にあらわれると考えられます。 人手不足が顕著にあらわれれば、建設業者もアルバイトや派遣労働者など雇用したくても人を集められない可能性も出てきます。

人手不足で影響を受ける工事が出てくる?

人手不足の深刻化は建築の遅れや建築費の高騰などをもたらす可能性もあるでしょう。 オリンピックで使われる競技場、選手村、インフラなど、様々な整備が間に合わなければ、もしかしたら致命的な問題が起きるかもしれません。 無理に間に合わることができたとしても、オリンピック関連以外の建設工事などにしわ寄せが来る可能性もあります。

住宅建築が間に合わないというトラブルも?

たとえば住宅建築などの建築が遅れることになり、予定された引渡し日までに完成させられない可能性もあれば、開通する予定日までに道路が完成しない可能性もあります。 商業複合施設など、オープンを予定している建物の建築が間に合わなければ中で働く人の雇用にも影響することになるでしょう。 また、新しく建築する工事だけでなく、既存の建物を修繕することにも影響が及ぶ可能性があります。自然災害などの影響を受けて修繕が必要になった家などまで手が回らなくなれば、さらに被害を拡大させる恐れもあるのです。

余計な費用が発生する

また、人手不足であることによって人件費が高騰し、結果として建築費が高騰する可能性もあります。 修繕費も高騰すれば、マンション管理組合で計画していた大規模修繕工事が実施できなくなり、一時金をマンションの区分所有者から徴収するしかない事態に追い込まれる可能性もあります。

今後建設業界で行うべき取り組みは?

このような点から、これからの建設業界では人手をかけずに工事を行う手法や、工期を短縮できる手法を導入していくことが必要になるといえるでしょう。 人材に関しても、若くて体力のある男性だけに絞るのではなく、主婦や高齢者など、労働力とはみなされなかった人たちが活躍できる現場づくりを行っていくことも必要です。 せっかく日本でオリンピックが開催されることが決まったのに、そのオリンピックが原因で苦境に落ちることのないように検討していきましょう。