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建設業界が抱える作業員不足の問題!とび職人以外は若手がいない?

2018.12.13
分類:その他
日本では労働者人口が減少していることで、建設業だけでなく様々な業界で人手不足の状態です。 特に建設業は作業員が不足しており、2018年8月時点の建設を職業とする有効求人倍率は何と4.76倍まで上がりました。 その他の職種を含めた全職種平均の有効求人倍率は1.46倍だったことを考えると、かなり建設業では人手不足が深刻化していると理解できるはずです。 建設業は常に作業員など人手不足の状態に陥っているといえますが、特にどの職種の作業員が不足しているのかなど確認しておく必要があります。

建設業の作業員が不足している理由

建設業にも総合建設業と職種別建設業というように種類がありますが、このうち職種別建設業について確認すると、職種によってどのくらい作業員が不足しているか異なります。 施工管理者は含まない技術労働者について確認するとしても、土工、左官、型わく工、とび工、鉄筋工、配管工、解体工、電工、グラウト工など、種類がいろいろあるのでそれぞれ人手が不足している状況も異なります。 さらに地域によって人手不足の状況は異なりますが、結局は建設業全体が人手不足傾向にあること、さらに今後、若手の作業員を確保することが難しい状況に不安が高まっているようです。

特に作業員が不足している職種とは?

そもそも建設業界は若年層が少なく、55歳以上の高年齢層が多く働いている状況です。 特に型わく工と鉄筋工など、最初の工程に携わる職種の作業員が不足している状況なので、若手が育たないという部分でも問題を抱えています。 とび職の場合、34歳以下の作業員が建設業の平均より多くなるなど、建設業の中でも若手に人気の職種です。それに対し、左官と大工は49歳以下の作業員が建設業の平均より少なめで、55~74歳の職人は平均よりかなり多い状況です。 建設業ではとび職以外で高年齢化が進んでいると考えられます。 左官や大工などとび職以外の職種では、将来的な部分も考えた上で、若手の作業員を獲得することを考えていかなければ、将来現場で働く作業員不足に頭をさらに抱えることになるでしょう。

建設業の作業員不足を解消するために必要なこと

とりあえず一時的な人手不足を補うためにと、若手でなくても働ける職人を雇用するケースもあるようですが、将来、高年齢層の作業員がリタイアすると現場で働く職人がいなくなってしまう可能性があります。 若手育成のためにも、建設業で働くことの魅力を伝えていくこと、さらに労働環境などを改善して魅力ある職場づくりを行うことが必要と考えられます。