建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設業界が抱える人材不足の問題と必要な取り組み

2019.07.25
分類:その他
建設技術者は2025年には本来、必要とされる人数より11万人を超えて不足するとも言われている程、人手不足に悩まされる状態が予想されています。 現在でも既に人手が不足している中、今後どのようにこの問題を解決していくのか、考えなければならない状況に立たされています。

人材不足を抑えるためにできること

国も建設業界も双方が全力をあげているのは生産性の向上に対する取り組みでしょうが、建設技術者の需要動向は今後どのように動くのか予測を立てた上で考える必要があります。 日本の生産人口は年々減少傾向にある中で、そもそも若い世代に人気のない建設業界にどのように呼び込むのかを検討しなければ、技術者不足に悩まされる状態は続くわけです。

定年を延ばせば人手不足は多少解消されても

例えば65歳定年を70歳定年にすれば、建設技術者の不足をおさえることはできるでしょう。しかし、高齢の熟練技術者にできる作業はある程度限られているため、戦力として働いてもらうのではなく、やはり若い世代を育てる側に回ってもらうべきです。 ただ、育成したい人材が見つからなければそれもかないませんので、安全・健康管理に対する取り組みを行いながら、女性が働きやすい環境づくり、年収を向上させるといったことにより、離職率を減少させていくことも必要となるでしょう。

工期を集中させないことが重要

また、現場監督に負担がかかり、離職してしまうケースもみられるようですが、その理由として工期が集中していることが挙げられます。 元請けが適正な工期で受注を行い、下請けとなる建設業者が負担のかからない工期の設定が求められます。現場監督や技能労働者など、労働者が週休2日を確保できるのか、あふれた業務は省人化や効率化していくことができるか検討していくことが求められるでしょう。

建設技術者の不足は日本の根幹を揺るがす問題

インフラ整備に建物の老朽化対策、そして災害復旧作業など、建設業界は大変重要な責務を負っています。そこで働く建設技術者が不足してしまうことは、日本の根幹を揺るがす問題であると理解しておくことが必要でしょう。 今現在、建設技術者として働く方たちを他業種に流出させない取り組みと、今後、若い世代など育成できる世代に多く流入してもらえるような取り組みという、2方面での対策を検討していくことが必要となります。 今後は、ICTや働き方改革への取り組みなど、活動を熱心に行う建設業者も出てくれば、そうでない業者も存在するなど、二極化が広がることが予想されます。