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建設工事の仕事で骨折などケガを負った場合の補償について簡単に解説

2023.07.24
分類:リスク

建設工事現場の仕事は、危険を伴う作業も多いため、中には骨折などケガを負ってしまう作業員もいます。 

しかし勤務中に骨折などケガをした場合には、労災による補償を受けることが可能です。

そこで、仕事中に骨折などケガを負ったときにはどのような補償を受けることができるのか、簡単に解説していきます。

仕事中の骨折などケガの補償

建設工事中、たとえばフォークリフトで足を轢かれて骨折したというケースでは、業務中の事故でケガを負ったため労災保険で補償されます。

労災保険では、労働者の業務中や通勤中のケガ・病気・障害・死亡を補償する保険であり、長時間労働などで精神的なダメージを受けたときでも認定されれば補償の対象です。

建設工事現場での事故に限らず、たとえば出張で移動しているとき、駅のホームで人とぶつかり階段から転倒して骨折したという場合でも、業務に起因性したものによるケガであれば補償されます。

骨折による労災補償の内容

労災保険は、業務中や勤務中に労働者が遭った災害の実態に合わせて、いろいろな補償給付制度を設けています。

災害を受けた本人またはその遺族に保険給付が行われる仕組みになっており、骨折などのケガを負ったことにより治療が必要であれば、療養給付の対象です。

さらに骨折で働くことができず、休業している期間の生活費を補償する休業給付や、治療後に障害が残った場合の障害補償給付などもあります。

骨折で後遺症が残った場合の補償

骨折で後遺症が残るケースとして、考えらえるのは以下のような症状です。

・関節の可動域が狭くなる

・動かしにくくなる

・骨折部位の周辺にしびれや痛みが残る

・骨折部位の変形

・骨折と同時に神経を損傷し神経症状が残る

これらの後遺症が残った場合でも、労働基準監督署が後遺障害だと認定しなければ、労災で後遺障害による補償は受けることができません。

しかし治療しても症状が治らないという場合、後遺障害の認定申請を検討したほうがよいといえるでしょう。

障害給付は治療を続け続けても、大幅に症状が改善されず、症状固定状態になった後で申請します。

そのため医師から症状固定と判断されなければ障害給付を申請できないため、適切なタイミングなど医師としっかり相談することも必要です。

ただし障害給付の申請には症状固定と診断されてから5年という時効があり、期間を過ぎれば申請できなくなるため注意してください。