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建設業界でのPMとは?ゼネコンの一括請負に頼らない方式とは

2020.01.28
分類:その他
建設業界でのPMとは「プロジェクトマネジメント」のことですが、これは大規模で複雑な建設工事などを効率的に進めていくためのマネジメントを指しています。 PMの専門であるプロジェクトマネジャーが事業に加わり、企画から設計、発注、施工、維持・管理という建設工事に必要な流れをマネジメントしながらプロジェクトを効率的に進めることになります。 従来までは、発注者がゼネコンに工事全体を任せる一括請負での契約が一般的だったのですが、不透明な部分に不安を感じるといった問題を回避するため、PMが導入されマネジメントされるようになったのです。

発案から設計までのマネジメント

発案から建築物を運用開始するまでの流れについてプロジェクトマネジャーがかかわることになりますが、建築の法律に精通する一級建築士などの資格を保有した方が担うことが多いようです。 どのような建物を何のために建てるのか、かけることができる予算や方向性などを決める上で、立地の周辺環境や法令・条例、建築後の周囲との関わり方など様々な項目がリサーチされる形でかかわりが始まります。 そのうえで企画発案した内容を形にできるように、建築主と設計事務所などが打ち合わせを行って設計していきます。その設計でよいかマネジメントを行い、例えば商業施設の建築なら見込める収益やかかるコストなども踏まえて検討することとなるでしょう。

施工から運用開始後もマネジメントは続く

設計が完了したのち、選定された工事業者が施工を行うことになります。建築物の規模が大きい時にはゼネコンなどが対応しますが、その施工計画が適切な内容になっているか、工事の工程やコスト、安全性、周囲への配慮など様々な部分でマネジメントすることが必要です。 建物が竣工後の運用開始においても、建築価値を保つ上上で需要となる管理計画やメンテナンス計画のマネジメントを行う場合もあります。

PMでマネジメントするメリット

建設工事を発注する建築主の立場になってみれば、規模の大きな建築事業における知識や経験も十分ではありません。そのため、設計や施工を担う担当者から出された提案のまま話を進めてしまいがちです。 しかしPMにより専門家に事業全体をマネジメントしてもらうことで、適切な設計や施工内容となっているか判断しやすくなることでしょう。 よいものを作りたいけれどできるだけコストを抑えたいという場合や、本当に将来利益を生むことができるのか、そのために必要な形に仕上げたいという場合など、建築主の希望に添う建設工事を行うことにつなげるのがPMによるマネジメントです。