建設業界で経営判断する際に参考にする利益率とは?
建設業界で事業を営んでいる方や仕事をしている方は、そもそも建設業の利益はどのように上げればよいのか、平均はどのくらいなのか疑問を感じることもあるでしょう。
参考にしたいのは、売上に対する利益の割合を示す「利益率」ですが、ではどうやって計算すればよいのかその方法をご説明します。
利益率とは?
売上に対する利益の割合を利益率といいますが、
・売上高総利益率(粗利率)
・売上高営業利益率
・経常利益率
・自己資本利益率(ROE)
・総資本利益率(ROA)
という種類があります。
売上高総利益率
粗利率と呼ばれることもあり、販売している商品にどのくらいの価値があるかを示していますので、数値が高ければ価値も高いと判断できます。
・粗利=売上高-売上原価
・売上高総利益率(粗利率)=粗利÷売上高
平均的な建設業の売上高総利益率(粗利率)は20%ほどですが、近年は高くなっている傾向にあります。
売上高営業利益率
収益性や経営管理の効率性を示す割合であり、会社の実力がすぐに数字で確認できる部分ともいえます。
・営業利益=粗利-販売管理費
・売上高営業利益率=営業利益÷売上高
1~5%なら良好と考えられますが、建設業もオリンピック需要などで5%に近い割合で伸びが見られます。
経常利益率
本業を含めた利益率のことで、基礎的な体力部分を示します。本業以外で利益があれば、たとえ本業の利益率は低くても経常利益率としては高くなることもあります。
・経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
・経常利益率=経常利益÷売上高
一般的な企業の場合、4~10%程で、建設業の場合は5%程で平均推移しています。
自己資本利益率
自己資本に対しどのくらい純利益を出したのか示す割合で、負債を除いた資本でみます。
・自己資本利益率(ROE)=純利益÷自己資本
・税引前利益=経常利益+特別利益-特別損失
・当期純利益=税引前当期純利益-利益に対する税金
総資本利益率(ROA)
総資産に対する利益率で、融資を含めたすべての資本をどのくらい効率的に使うことができているか示します。
・総資本利益率(ROA)=純利益÷総資本
利益を上げるために必要なこととは
中小企業と大企業を比べれば、大企業の方が粗利率は低めですが営業利益率は高めです。その理由として挙げられるのは、大企業は中小企業よりも利益をうむ仕組みを構築させることができているからといえます。
利益をうみ出すために必要なこととは、売上を増やすこと、または利益率を上げることです。中小の建設業では難しいと感じるかもしれませんが、これらの仕組みを理解し経営判断の参考にしていきましょう。