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建設業の共同企業体であるジョイントベンチャーとは?

2021.05.25
分類:その他
建設業で共同企業体のことを「JV」といいますが、これはジョイントベンチャー(Joint Venture)を省略した呼び方です。1つの建設工事を受注・施工することを目的として複数の企業で構成されます。 資金力・技術力・労働力などから見たとき、1つの企業で請け負うことが難しい規模の大きな工事や事業を複数企業で協力し請け負う事業組織体を指しており、法人ではなく事業組織体であることが特徴です。

大規模工事で結成される

ジョイントベンチャーは大規模工事や高い技術を必要とする工事において、それぞれの企業が得意な分野を持ち寄り完成させることを目指します。 建造物により必要な技術は変わってきますので、1企業では施工に限度があるものの、複数の企業がそれぞれ特化している高い技術を担当し施工を可能とすることが特徴です。 ジョイントベンチャーの方式には、 特定JV…工事ごとに結成される特定建設工事共同企業体 経常JV…一定期間継続し協力関係を結ぶ経常建設共同企業体 地域維持型JV…地域維持に欠かせない事業に協力する地域維持型建設共同企業体 という種類があります。

特定JVの特徴

それぞれの分野で秀でた企業が結成することが特徴で、規模が大きく難度の高い技術の工事を施工する場合でも、それぞれの企業が技術力を結集させることで受注・施工が可能になります。 工事ごとに結成され、工事を受注または完了できなかったときには解散します。 参加するには工事に対応可能な許可業種における営業年数や、過去の工事実績などが必要です。国家資格を保有する主任技術者や許可業種の監理技術者を専任で現場配置できる企業で構成されることが特徴といえます。

経常JVの特徴

中小・中堅の建設企業が継続して協力し、経営力・施工力を強化するために結成するJVといえます。 入札参加資格業者として一定期間登録されるため、受注機会拡大や利益向上につながることが特徴です。 参加するには登録する部門の許可業種を営業していること、元請での実績があることが必要になります。 監理技術者や国家資格保有の主任技術者を、現場ごとに専任で配置できることも必要です。

地域維持型JVの特徴

地域の維持・管理に不可欠となる建造物や事業において、地域の建設企業が協力し実施体制を安定して確保することを目的としたJVです。 参加するには他のJVへの参加条件に加えて、地域の地形・地質に詳しいこと、迅速に現場に到着可能なことなどが求められます。 道路の除草や巡回・修繕・舗装・河川巡視・除雪・堤防の補修が主な業務となります。