
運送会社の需要は、ECサイト拡大により、劇的に変化したといえます。
従来までは、景気変動に左右されたといえるものの、現在では需要の質が変わったことや供給の構造的制約が複雑化したことで、物流のあり方そのものが変化しています。
荷主も、以前のようなモノを運んでもらえて当たり前の認識を改めて、運送会社の供給能力に配慮する出荷計画を提示することが求められています。
運送会社と荷主の需要と供給が歩み寄ることが、物流市場を支える基盤になるでしょう。
そこで、運送会社の現在の需要について、劇的な変化の背景や管理の効率化に必要なことを解説します。
運送会社の需要を一気に引き上げたのが、電子商取引(EC取引)の急速な普及といえます。
物販系EC市場が拡大したことで、運送へのニーズは劇的に変わりました。
従来までの大口の企業間物流から、少量の荷物を個人宅へ届ける個配の需要が高まったため、走行距離に対する荷物一件あたりの単価が下がる中で再配達などの作業負荷は増えています。
特に、翌日配送や時間指定などのサービスへ対応するためにも、配送ネットワークの効率化と維持が求められます。
現在、運送需要が増大し続ける中で、運送会社の供給能力が追いついていない不均衡が生じています。
ドライバーの労働時間規制で、物理的な輸送キャパも減少傾向にあります。
野村総合研究所の試算によると、何の対策もしなければ、2030年に全国の荷物の約35%を運べなくなる恐れも予想されています。
運送会社は、どの荷主の荷物を運ぶのか、荷主を選別する動きも強まりつつあります。
そのため、待機時間が長く、荷役作業負担が重い荷主の場合、たとえ需要があっても敬遠されてしまうなど、従来とのパワーバランスが逆転する現象が起こっているようです。
運送会社の需給と供給のギャップを埋めるためには、効率的に需要を管理・調整できる仕組みが必要です。
たとえば、AI活用により、運べる荷物量を予測することで、車両や人員の無駄を防ぐ供給管理を取り入れましょう。
運送会社同士が同じルートやエリアの貨物を一つの車両にまとめて輸送する共同配送も、個別の需要を満たしながら輸送効率を高められる取り組みとして、今後は多く取り入れられるようになるでしょう。