都道府県や市町村の担当者が、直接介護施設など事業所に出向いて適切に運営がされているか確認することを実地指導といいます。
指導と監査は同じでは?と混同されることが多いようですが、それぞれ行った目的で実施されています。
そこで、実地指導と監査は何が違うのか、それぞれどのような内容で実施されることになるのか理解を深めておきましょう。
まず指導は介護事業者の育成を目的として行われるものであり、集団指導と実地指導があります。一方の監査は、指定基準違反などの疑いがある場合において、実地指導ではなく実地検査の必要性が高いときに行われます。
指導のうち、実地指導は個別で実施されますが、集団指導では一定の場所に対象となる事業者を集めた上で指導が行わることとなります。
個別で指導を行う実地指導は、介護事業者の育成や支援を主な目的としており、保険給付の適正化や充実したケアの実現につなげることを目指したものです。ただ、実地指導の際に著しく不適切だと判断できる点が見つかった場合には、指導ではなく監査に変更されることもあります。
指導と監査を同じ意味として考える方も少なくありませんが、監査が行われるケースとは、利用者から対象となる施設に対する相談や苦情を受けたときや、介護給付費適正化システムを用いた分析で特異傾向を示す事業者として抽出されたときです。
監査は運営基準に違反した対応や運営方法があった場合などにおいて改善させることを目的としていますので、勧告や命令を行っても従わなかった場合、指定が取り消される場合もあるので注意しましょう。
実地指導には、運営指導と報酬請求指導の2種類を個別に確認・指導されることとなります。
運営指導は、高齢者に対する虐待の防止、身体拘束を禁止するという観点から、防止するための取り組みを促すことを目的としています。
ヒアリングを行った上で、利用者の自立支援に向けた適切なアセスメントを行い、サービスの質を向上できるよう運営指導マニュアルによる指導が行われます。
報酬請求指導は、各種加算の算定基準に適した体制が確保されているか、運営は適切かなどヒアリングで確認していき、不適正な請求防止を目的に報酬請求指導マニュアルに基づいて行われます。