介護業界は現在、慢性的な人手不足でありながら、施設数は増えています。
施設はあっても介護を担当する人材がいないという状況では、質の高いサービスを提供できません。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、厳しい経営環境にある中、倒産や廃業で経営を続けることができなくなった施設も実際に多くあります。
そのような中で、異業種からの新規参入は増加傾向にあるようですが、後に続く場合にはどのようなことをポイントとして押さえておくべきなのか説明していきます。
2000年に介護保険制度がスタートしたことで、異業種から介護業界に新規参入するケースが増えました。
たとえば医療事務・教育事業・警備会社・飲食事業・不動産デベロッパー・建設業な度揚げればキリがありませんが、ここ数年も電鉄系・電機メーカー・住宅設備機器メーカーなどが 新規参入する例もみられます。
介護事業の経営環境は厳しいといえますが、異業種からの新規参入は後発参入を強みに変えることによる差別化で、それぞれの強みを生かしているケースが多いといえます。
飲食事業の場合には施設で提供する食事を強みとし、警備会社はセキュリティや見守りを強みとしています。
住宅設備機器メーカーは、安心して高齢者が暮らせる住宅設備が強みであり、電機メーカーは最新の技術や電機機器備が強みです。
利用者ニーズが多様化していることや、供給施設が増えていることを踏まえ、利用者に選ばれる施設とサービス提供で成功しているといえるでしょう。
異業種から介護業界に新規参入するとき、成功するためには特に次の2つをポイントとして押さえておきましょう。
・蓄積したノウハウを活かす
・市場調査と営業力強化
それぞれ説明していきます。
介護施設のうち、特別養護老人ホームや介護老人保健施設は民間企業が参入できず、サービス付き高齢者住宅や住宅型有料老人ホームなどは設備投資にかかる費用が高額になる上に介護報酬も適用されません。
そのため今後、異業種から新規参入するのなら、訪問介護や通所介護、介護付き有料老人ホームなどでこれまで蓄積したノウハウを活かすサービス提供を目指すとよいでしょう。
要介護認定の数やライバル施設数、市場開拓の余地などの情報収集により、商圏と市場の分析や調査をしっかり行って営業力を強化しましょう。