介護サービス事業所を開業する際には、立地や物件の決め方に注意が必要です。
介護保険サービスを提供する以上、介護保険法に定められている基準を満たすことが必要であり、自治体から許認可を得ることも必要となります。
たとえば訪問介護事業所を立ち上げる場合には、まずは法人格を取得した上で、サービス提供責任者など人員基準や運営の事務所準備などの基準も満たさなければなりません。
必要書類の準備や、事業所管轄の都道府県担当課への提出、受理と一連の流れを経なければ開業できないといえます。
介護サービス事業所開業から運営開始まで、最短でも数か月かかる場合もあるといえますが、できるだけスムーズに行うための立地と物件の決め方について紹介していきます。
介護事業所の立地を決めるときには、いろいろな要素を考慮しなければなりません。
まず、すでに介護事業所が多く存在するエリアなどでは、立地として選んでも利用者獲得につながらない可能性もあります。
ただ、介護ニーズの高い地域であれば、競合がいても差別化に成功すれば、他のエリアよりも利用者を獲得しやすくなると考えられます。
また、介護スタッフの雇用などについても情報を集めておきましょう。
訪問介護などの場合は、人員基準以外に事業所や設備の基準などもあるため、要件を満たす物件を選ぶ必要があります。
立地を安易に決めてしまうと、基準を満たしていないことで開業できなくなる可能性もあるため、事前の確認は必須といえます。
介護サービス事業の開業では、介護サービス事業者の指定申請が必要です。
都道府県・市区町村などの自治体に届出を提出し、介護保険法に基づいた指定を受けなければ、介護サービス事業者として事業は行うことができません。
指定申請は介護事業所ごとに行う必要があるため、訪問介護や通所介護などの指定を同時に受けたいのであれば、届出・申請も別々に行う必要があります。
さらに申請の際には、指定申請書・誓約書・就業規則・従業者の勤務形態及び勤務形態一覧表・人員基準確認票・事業計画書といった多岐に渡る書類の準備も必要です。
法人格も必要であるため、届出前に会社設立を済ませて、商業登記簿謄本を取得しておきましょう。
なお、指定申請は都道府県など指定権者に事前相談が必要とされています。
書類提出も一度で許可を得ることができると限らないため、行政書士などに相談することをおすすめします。