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介護事業は資金繰りが悪化しやすい?資金面で厳しくなりやすい理由について解説

2024.02.27
分類:経営

日本は高齢化社会を迎え、介護ニーズも年々上がり続けています。

 しかし介護事業は、サービス提供後にすぐ報酬が入金されるわけではないため、資金繰りが悪化しやすいといわれています。

 資金面で厳しい状況に陥りやすい業界といえますが、資金に行き詰まると事業運営が困難になってしまうでしょう。

 そこで、なぜ介護事業は資金繰りが悪化しやすいのか、資金面で厳しくなりやすい理由について解説していきます。

介護報酬の入金は2か月後

 介護事業が介護保険制度適用の介護サービスを利用者に提供した場合、介護報酬を請求できます。

 介護報酬の請求は、利用者に介護サービスを提供した後となり、実際に入金されるのはサービス提供から2か月程度待つ必要があります。

 そのためその間に支払いなどが発生すると、入金と出金のタイムラグにより資金繰りが苦しくなってしまうでしょう。

 入金を早めてほしいと国保連などに交渉しても応じてもらうことはできないため、報酬を回収するまでの支払いに備えて、手元の資金には余裕を持たせておくことが必要です。

 特に介護事業所を開業した直後は、初期投資だけが発生し、代金回収まですぐに至りませんので注意してください。

  

人員削減しにくい業界

 一般的な業種なら、人件費を圧縮することでコスト削減を図ることもできるでしょう。

 しかし労働集約型のビジネスである介護事業は、人件費削減は容易ではありません。

 労働集約型とは、人の手による仕事量が多く、労働力に対する依存度が高いことを意味します。

 事業活動の主要部分を労働力に頼り、売上に対する人件費の比率が高めの場合、労働集約方産業といいます。

 また、介護業が人員を削減しにくい業界であることは、次の2つの理由が関係します。

 人手が足りておらず人員削減しにくい

人員基準により必要人数を雇用し続けなければならない

 

それぞれ説明します。

 

 人手が足りておらず人員削減しにくい

 もともと介護業界は人手が足りておらず、さらに人員を削減してしまうとサービスレベルを低下することにつながります。

 介護業界は人手不足が深刻化しているため、現場の人数が足らない中では人員削減しにくといえます。

  

人員基準により必要人数を雇用し続けなければならない

介護事業は、法律で人員配置基準が決められているため、設けられています。

仮に利用者がほとんどいなくても、事業を続ける上では必要な人数の人員を雇用しつづけることが必要となるため、人員削減しにくいといえます。