介護事業所を開業させるためには、介護事業者として許可を受けることが必要となります。
そして介護保険に基づいた訪問介護事業を営む場合は、会社を設立しなければなりません。ただ、法人であれば種類は問われないので、株式会社にするのか、それとも合同会社や一般社団法人などにするのか一番適していると思う形を選ぶとよいでしょう。
訪問介護事業を営む上で指定事業所となれば、ケアプランに基づいた介護サービスの提供後、介護報酬の請求が可能となります。ただ、指定事業所は原則、個人では認められませんので会社を設立することが求められます。
訪問介護や通所介護、居宅介護支援など、介護保険から給付を受けようとする介護事業者の場合、法人格を得なければならないと理解しておきましょう。
会社を設立しようと考えても法人格にはいくつか種類があるため、どれを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。
介護事業所を開業するときに選ばれることが多いのは、株式会社や合同会社で、事業所を増やすという場合には一般社団法人やNPO法人などを別途設立するといったこともあるようです。
それぞれの法人格の内容と特徴などを理解しておき、どれが最も適しているかしっかり検討するようにしてください。
資本金は1円、役員も1名で設立できますが、対外的な信用度を考えると資本金1円での設立は望ましくありません。
ただ、株式会社というだけで社会的信用度が高まり、スタッフの採用には有利に運びやすいことがメリットです。
さらに株を発行して資金を調達することが可能で、将来的に上場を視野に入れることができるなど、事業をいずれ拡大したいという場合には適している法人格といえます。
ただ、資本金を1円にしたとしても設立費用に20万円以上はかかるため、初期費用の負担は他の法人格より大きくなります。
平成18年に会社法が施行されて新しくできた法人格であり、株式会社よりも設立にかかる費用は安く、10万円程度で済みます。ただ、一般的な認知度が低いことや、上場できないという部分ではデメリットです。
平成20年の法改正で新たにできた法人格で、設立するときには2名以上の社員が必要です。株式会社や合同会社よりも経理や事務が煩雑になってしまいますが、公的な法人としての印象が強いなど、営利性が表面に出ないことでよいイメージを持たれやすいといえます。
設立費用が安く10万円程度で済みますし、非営利型なら税制優遇措置も適用させることができます。
ただ資金調達の面で苦労する場合がありますので、よく検討した上で決めることが必要です。
特定非営利活動法人であり、設立するまでに5か月程度かかることと、会社設立にあたり10名以上の社員が必要であることがデメリットです。
ただ、営利目的ではない団体のため、他の法人格よりも一般的なイメージはかなり高くなるといえるでしょう。