介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護事業者のセルフ・キャリアドックとは?重要性と導入する上で必要になること

2023.08.27
分類:総務

「セルフ・キャリアドック」とは、従業員とキャリアコンサルタントの面談のことであり、理論などに基づいて従業員の心理的な自己洞察など促し、キャリア形成の方策を検討することを目的として行います。

 上司が行う人事評価目的の定期面談や業績評価面談などと違うのか、あくまでも従業員のキャリア形成が目的であることです。

 そこで、介護事業者も導入を検討したいセルフ・キャリアドックについて、その重要性や導入において必要なことを解説していきます。

セルフ・キャリアドックの重要性

 日本は高齢化が進み、生産年齢が減少しているといえますが、それに加えIT化が進み国際競争も激化しています。

 ビジネスモデルや事業内容を大胆に変化することが迫られているといえますが、介護業界も他人事ではありません。

 従業員一人ひとりが社会や組織の変化を先取りし、変革に対応しつつ最大限に能力を発揮するためのキャリア構築も必要となります。

 セルフ・キャリアドックを導入すれば、従業員一人ひとりが目標とするキャリアを明確にし、そのキャリアに向けての仕事の目的意識を向上させ、計画的に能力開発へと取り組むことができます。

 仕事を通じて成長できるため、働くことの満足度を向上させることになり、結果的に離職率を抑え定着率をアップさせることへとつなげることも可能です。

 従業員の意識向上と人材定着によって、組織も活性化することになり、生産性向上やサービスの質向上に寄与する効果も期待できます。

  

セルフ・キャリアドック導入で必要なこと

 介護事業者がセルフ・キャリアドックを社内に導入するためには、次の3つも必要となります。

 ・経営者のセルフ・キャリアドック宣言

・社内環境の整備

・社内体制の整備

 それぞれ何が必要か説明していきます。

 

経営者のセルフ・キャリアドック宣言

経営者自らがセルフ・キャリアドックを導入することと、それにより組織を活性化することを宣言することで、組織全体がセルフ・キャリアドックを推進しようという意識を持つことになります。

 

社内環境の整備

セルフ・キャリアドックの意義を理解してもらうように促し、円滑に導入できるように意識醸成を図ることも求められます。

管理職にも目的や内容を理解してもらうことだけでなく、キャリアコンサルタントや人事部門と一緒に対象とする従業員をサポートしてもらうことにより、一層高い効果が期待できるでしょう。

また、従業員にも力強く職業生活を乗り切るために、キャリア形成が必要であることを認識してもらう必要があります。

 

社内体制の整備

 セルフ・キャリアドックを円滑に導入し、推進するためにも、一定の影響力がある人材から推進責任者を選びましょう。

 その上でセルフ・キャリアドックを社内制度として周知するため、就業規則や通達として整備することも必要です。