世界恐慌とは、アメリカを皮切りとして世界的に起きた深刻な経済恐慌のことで、1930年代に起きました。大恐慌としてあらわれた時期は国によって異なるものの、多くの国で1929年に始まり1930年代後半まで続いたとされています。
新型コロナウイルスの感染拡大もこの世界恐慌のときのように、中国を発祥として様々な先進国に飛び火することとなり、世界の経済活動を大きく制限することとなっています。
実体経済や金融市場も混乱し、まさにリーマンショックを上回る経済危機になるといわれています。
介護施設でも大不況となったとき、どのように対応していくべきか考えていかなければなりません。
すでに新型コロナウイルス感染症の影響は、不況になるかならないかの問題ではなくなってきています。
そもそも経済危機には次のようにいくつか段階があり、
・景気後退…第2四半期連続でGDP成長率がマイナスとなる
・不況…年10%前後のマイナス成長、または3年以上のマイナス成長
・恐慌…不況に金融危機が伴い、金融機関の貸し渋りや貸し剥がしなど信用収縮や信用崩壊が伴う
・大恐慌…壊滅的な経済危機の状態。金融システム崩壊や企業倒産が相次ぐこととなり、失業者が増え街にあふれる。通貨は暴落しハイパーインフレが訪れる
という形です。
恐慌までで止まるのか、大恐慌になるのかわかりませんが、不況は避けることができないといえます。
日本とはケタ違いで新型コロナ感染者が発生している欧州各国では、死者数全体の約5割が介護施設の高齢者のようです。
日本でも緊急事態宣言が解除となった後でも、マスク着用やソーシャルディスタンスなどを守りながら、少しずつ従来の日常を取り戻しつつある状況といえます。しかし介護施設などの現場では、気を緩めず徹底した感染防止策が続いています。
すっかりソーシャルディスタンスなどが定着し、相手との距離をとることが必要と誰もが認識するようになりました。しかし介護現場では距離を取ることはできず、密閉回避するために換気に気を使うなど行いながらも、密集と密接は避けられない状況です。
特に居宅介護では密閉と密接の状態となるため、常に新型コロナ感染リスクにさらされているといえます。
もともと介護職員は新型コロナ以外にも感染症にはかなり注意を払っているので、マスク着用や手洗いの励行は以前から行っていました。しかし新型コロナ感染拡大により、さらに神経を使い感染防止に努めなければならない状況です。
一般の仕事とは比べものにならないほど神経を使っている介護職員にとって、人手不足による負担増が加わり心身ともに疲弊しきっています。
経済が危ぶまれる中で今後、介護施設運営など不安視されることもありますが、その中で働いている介護職員にも目を向けることが重要といえるでしょう。