異業種から新たな参入が増えた介護ビジネスですが、高齢者が進む中でも成長産業として期待されていることが大きな理由です。
たとえば不動産会社やハウスメーカーなどが高齢者住宅や介護施設などを始めようと、土地を所有する地主や介護事業者に営業をかけています。積極的な営業をきっかけに、新規ではじめてみようと考える企業も増えつつあるようです。
ただ、いくら成長産業といわれても粗利補償できる事業なのか気になるところでしょう。利益をしっかり生み出すことができるように、医療・介護保険制度の動向なども踏まえた上で粗利補償されるのかあらためて考えてみましょう。
たとえば老人ホームを運営しようとするのなら、次のことを注意しておくことが必要です。
排泄や入浴、食事など、介護施設では様々なサービスを提供することになりますので、人の力が必要です。
サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームで介護サービスを利用する場合、併設する介護サービスの職員数は種別により配置基準を守ることが必要です。
介護事業は他の業界よりも有効求人倍率が高めですが、平均賃金も上昇傾向にあるので十分な人手を確保ために相場に合わせた賃金以上に設定したほうがよいでしょう。
ただし人件費は売上の大半を占める部分なので、利益確保のためにも過剰にならないような配慮も必要です。
入居者が重度化したときや認知症が重篤な状態になった場合、介護負担は大きくなりがちです。そのときにも利益確保できるような対策を事前に検討しておくことが必要になります。
サービス付き高齢者向け住宅の家賃や老人ホームの利用料などは、事業者が自由に設定できます。
ただし介護報酬が関係する介護サービスは、事業者が自由に決めることはできず介護保険制度によって決められた細かな規定に従うことが必要です。
そして介護報酬は、国の方針により3年ごとに改定がありますので、変更されたことで事業が悪化してしまうリスクもあると留意しておくべきです。
国は施設から在宅へシフトさせようと施策を立てており、訪問介護やデイサービスなど在宅事業のサービス品質に対しての評価が強化されています。
事業を立ち上げるエリアやニーズの高いサービスについて見極めながら、しっかりと現場で働くことができる人材を確保するための対策を検討していくことが必要です。