老人ホームなどの介護施設で責任者として働くホーム長や施設長と呼ばれる方は、介護の資格が必須とはされていません。ただ、マネジメント能力が高くなければつとまらないといわれていますが、具体的にどのような役割を担うこととなるでしょう。
そこで、介護事業所で責任のある立場として働いている介護施設長の役割についてご説明します。
介護施設で責任者や管理者として働いている施設長やホーム長と呼ばれる立場の方は、事業所の経営母体の社員が任命されている場合もあれば、経営者が兼務していることもあります。
いずれにしても主な仕事内容は管理業務であり、事業所のマネジメントを行っています。
介護保険法では特別養護老人ホームの管理者は、従事者と業務の管理を一元的に行わなければならないとしており、必要な指揮命令を行うこととしています。
特に特別養護老人ホームは公的な介護施設のため、求められる人材が育つように、適切な介護サービスが提供されるようマネジメントしなければなりません。
株式会社のような営利法人になれば、利益を生むための収支マネジメントも求められることとなるでしょう。
介護施設の施設長が行うマネジメント業務は、主に次の3つに分けられます。
介護施設で提供される介護サービスが適切なものであり、確実に提供されるために必要なマネジメントを行います。
事前に定められた介護サービスの内容を守って、サービスの質も落とさないように事業所内で周知することが必要です。
定期的な確認と指導を行い、問題点を洗い出し改善させていくということも求められるでしょう。
介護保険では要介護者3人に対し、最低でもケアスタッフ1人という基準は守らなければなりません。
不足しないよう人員配置をし、優秀な人材を採用し介護の質を高める教育を施すことも求められます。
シフトや就労時間などが適切か労務管理を行い、職場環境やスタッフ同士の雰囲気なども確認しながら、介護スタッフが働きやすいと感じられる職場づくりを行うことも必要です。
民間が運営する介護施設などでは利益を生むことが必要ですので、無駄な支出は削減しつつも介護スタッフの士気を高められるような福利厚生の充実など、様々なマネジメントが求められます。
入居検討者や見学者への対応、すでに入居・利用している方やその家族への対応も業務範囲となるといえるでしょう。
他にも近隣居宅介護支援事業所のケアマネージャーを訪ねて施設を知ってもらうことや、イベントなど開催し周辺住民の方も気軽に足を運べる地域密着の活動など様々な工夫により、親しみやすい施設と認識してもらえるような活動も求められます。