介護事業所で働く介護スタッフの離職率の高さは問題視されており、定着率の低さで常に人材不足の悩みを抱えている施設も少なくありません。
介護スタッフの中には20年以上勤続しているベテラン職員などもいる反面、多くは長く手数年で辞めてしまい、新人教育など十分に行えなかったり一人ひとりの業務負担が重くなったりという現状を抱えています。
そこで、介護事業所の平均勤続年数は何年なのか、介護スタッフの定着率が低い理由について紹介していきます。介護現場で働く介護スタッフの定着率が低めであり、離職してしまうケースが多いのは次の3つが関係しています。
・心身疲労の蓄積
・仕事に見合わない低賃金
・複雑な人間関係
それぞれどのような理由か説明していきます。
介護現場は激務といわれることが多いため心身の疲労が蓄積してしまい、離職してしまうケースも後を絶ちません。
人手不足が続けば、介護スタッフ一人ひとりの仕事量や負担が大きくなるため、疲労が溜まりやすくなります。
さらに介護サービスの質も低下し、不満を感じた利用者とのトラブルなどでストレスをため込み、介護職を辞めたいと考えるケースも見られます。
先に述べたとおり、介護現場では介護スタッフ一人ひとりの負担が増えている中、賃金は据え置きという状況では仕事に見合わないと感じてしまうものでしょう。
仕事量や内容に対する賃金の低さや負担の重さは、離職率を高める要因となります。
介護職は利用者の身体介護を担う機会が多いため、体力も必要であり、腰に負担がかかることで腰痛やヘルニアを患うケースも少なくありません。
身体的負担が重いのに給与水準は平均よりも低ければ、報酬が見合わないと感じてしまうのは無理もないでしょう。
介護現場では、同僚や上司など職員同士の意思疎通が難しいこともあれば、利用者やその家族とのコミュニケーションがうまく取れないこともあり、複雑な人間関係に嫌気がさすというケースも見られます。
介護職は施設や利用者宅など閉鎖的な空間で働くことになるため、人間関係の問題が起きやすく、悩みが解決できなければ退職したいと考えがちのようです。
介護労働安定センターが公表している「令和元年度介護労働実態調査」での介護職全体の平均勤続年数は6.9年でした。
現在は少し変動があると考えられますが、いずれにしても身体的・精神的なストレスを感じ、負担が重くなりすぎれば離職や転職する人を増やすことになります。
今後はますます介護職のニーズが高まるといわれているため、離職防止に努めることが必要です。