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介護施設などで利用者の部屋に導入する空調機やエアコンの選び方

2021.01.19
分類:経営

介護施設などで利用者の各部屋に備えられる空調機は、個別分散タイプのものが一般的です。

個別分散タイプのものであれば、利用者それぞれの要望に応じることができますし、誰でもリモコンスイッチを使えば操作も簡単にできます。

冷房専用のものか、冷暖房兼用のものに分けることができますし、室内機に自動清掃機能や在室感知機能などが搭載された製品もあるなど、より利便性を増しているといえるでしょう。

空調機の特徴

そもそも空調機とは空気調和機を省略した呼び名であり、空気の温度や湿度、清浄度など調整することを目的とした機器です。

冷凍機・加湿器・ファン・熱交換器・エアフィルタなどがラック1つに収められており、近年では省エネ化により低電力化されたものなどが多く普及しています。

介護施設に設置する空調機も、ヒートポンプ方式でコンプレッサーを利用し、効率的に外気などから冷熱・温熱を得ることが可能となっています。

 

エアコンとは何が違う?

エアコンはエアーコンディショナーを省略した呼び名ですが、家庭用などで使用されているエアコンは外気を導入する仕組みは持ちません。

そして心臓部のコンプレッサーを動かすエネルギーにより、機器構成が変化します。

電動機でコンプレッサーを動かし、熱を作るのが電気方式(EHP)であり、ガス燃料を燃やしエンジンを始動させコンプレッサーを動かすのがガス方式(GHP)です。ガス方式は車で電気を作る仕組みと似ており、燃焼の際に排気を発生させるため、冬季ではその熱を有効利用することとなります。

介護施設で各部屋にエアコンを導入する際には、コンプレッサー起動方法の違いを理解した上で、施設の条件に合うタイプを選んだ方がよいでしょう。

 

高齢者はエアコンを好まない?

介護施設に入所し、生活している利用者は夏の暑さを嫌うものの冷房も好まないことが多いようです。ただ、冬は暖かさを求めるものの、乾燥は嫌います。

地域などにもよりますが、緑が多く開放的な環境であれば、無理に空調機やエアコンを使わなくてもよい場合もあります。

散水や潜熱利用、夜間自然冷却などで快適な温度や湿度を保つなど、施設で取り入れやすい方法を使うと良いと考えられます。ただ、冷暖の負荷バランスが崩れてしまうときには、エアコンなどで補うことも必要です。

介護施設の用途特性や使い方など、勘案させた上でエアコンなどを選ぶことも大切です。高齢の方は暑さなどを感じにくい場合が多いため、人命を預かる仕事と認識し、省エネやコストの観点だけでなく事故予防について考慮しながら検討するようにしてください。