介護業界にとって人材不足は大きな課題ですが、大都市への人口流出が進み、高齢者が多い地域では介護人材をどのように確保するのか急務とされている状況です。
介護サービスに対するニーズは高まり、施設内でもベッドは空きがあるのに担当する介護スタッフがおらず、受け入れができないといったこともあるようです。
このような介護業界の人材不足を重く見た国や自治体では、どのように介護スタッフを確保し、定着率を向上させるかを考え、事業所や職員に対する支援体制を整備しているところといえます。
人材不足は介護施設運営者である経営者の大きな悩みであり、現場で働く介護スタッフにとっても大きな問題となっています。
介護スタッフに対し、職場の労働条件に関してどのような悩みを抱えているか尋ねると、その半数以上が人手不足を上げるほどです。
人材不足により、介護スタッフが抱える仕事量は増え、満足な介護サービスの提供に繋がっていないことに憤りを感じているのが現状といえるでしょう。
介護業界で人材の採用が難しい理由として挙げられるのは、やはり同業他社と人材獲得を巡る競争が激しいことです。
また、他産業と比較すると労働条件がよくないため、募集をかけても就職を希望する方が集まらないといった問題も抱えています。
さらに人材を採用しても、その6割以上が3年以内に辞めてしまうといった状態で、定着させることができるかが今後の人材不足の流れを大きく変えるポイントとなりそうです。
近年、介護職に対し自治体が独自で手当や奨励金を設けるといった、人材を定着させる取り組みも見られます。
さらに介護業界で働く若手のスタッフに、キャリアアップや介護技術向上を目的とする研修会の開催、さらには介護福祉士を目指し専門学校や養成施設に通う学生に対する修学費用の貸付制度など、様々な取り組みや制度の設置を行っているようです。
以前介護業界で働いていたけれど、出産や育児、家族の介護などの事情で介護職から離れた方たちを呼び戻すための支援なども実施されています。
国でも介護スタッフの定着率を改善させるために、経験や技能のある方の処遇改善を重点において制度を設けるといった取り組みをおこなっています。
まず、介護福祉士資格を保有するリーダー級のスタッフを対象として、月額最大8万円相当の処遇改善を実施するといったことを行っています。
それにより、リーダー級以外のスタッフの処遇改善に給与資金を充ててもらうことで、スタッフ全体の処遇が改善されることを目的としているようです。
賃金など処遇が改善されれば、スタッフの定着率に繋がり人材を確保しやすくなるはずでしょう。